クラミジアについて知っておきたいこと 

性交渉を経験した方なら、一度は「クラミジア」という病気を耳にしたことがあるのではないでしょうか。クラミジアとは性病のひとつで、患者数は非常に多いと言われているものです。よく耳にして何となく知ってはいるものの、具体的にはどんな病気か知らないという方も多いと思います。

クラミジアは放置しておくと、さまざまな病気を引き寄せたりすることもあるため、早めに治療することが重要になります。

そこで、クラミジアとはどんな病気なのか、感染を予防するにはどんなことに気をつけるべきか、そして治療方法などについても詳しくご紹介していきましょう。

クラミジアとは

クラミジアとは

クラミジアとは、「クラミジア・トラコマティス」という病原体に感染したことから発症する病気のことです。

クラミジア・トラコマティス以外にも病原体はありますが、近年感染者の激増しているのはクラミジア・トラコマティスのタイプだと言われています。

クラミジアは、多くのケースで性行為により性器粘膜を通じて感染することから、性感染症のひとつとして認識されています。

患者数について

クラミジアは、たくさんある性感染症の中でも最も患者数が多い病気だと言われています。特に若い世代の感染者の増加が深刻化しており、18歳から19歳の女性は10人に3人がクラミジアに感染しており、高校生で性行為を経験した人の割合で言えば、女性は13.1%、男性は6.7%がクラミジアに感染しているとされています。

また、20代では20人に3人が感染しているとされており、性行為による感染症のリスクを知らない人が多いことが窺い知れます。

そして世代を問わず全体の人数でいえば、クラミジアに感染した人は100万人以上にも上ると言われており、知らないうちに感染している方もたくさんいるということが言えるでしょう。

感染経路について

感染経路について

クラミジアは、ほとんどのケースで性行為が感染経路となっています。性行為によりクラミジアが感染するのは、クラミジア・トラコマティスが精液や膣分泌液などを経由するからです。

粘膜同士が接触すれば、あらゆる部分にクラミジア・トラコマティスが感染します。性交渉によっても感染する粘膜は異なり、男性性器、女性性器だけでなく、肛門、尿道、口腔内、喉、目などに発症する可能性があるでしょう。

クラミジアに感染していても、感染部位が性器ならキスでうつることはありません。しかし、オーラルセックス(口腔性交)などで口腔内もクラミジアに感染すれば、キスでも感染する可能性があります。

性行為を一度でもした経験のある人なら、クラミジアに感染している可能性はないとは言い切れません。それほどクラミジアは感染力が高いので、感染を防ぐにはコンドームで粘膜が接触しないことを行うべきです。

クラミジアんの症状について

症状について

クラミジアに感染すると、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。実は、クラミジアに感染しても症状がほとんど現れないことが多いのです。

女性の感染者の場合、5人中4人に自覚症状が現れないことが多く、男性の感染者も半数近くが無自覚なため、知らないうちに感染を拡大している恐れがあります。

僅かな変化で言えば、女性ならおりものの増加、おりものが黄色くなる、生理痛のような下腹部痛などの痛み、不正出血、性交痛などが挙げられます。

男性なら、尿道の痒み、排尿時に軽い痛みがある、副睾丸の痛みや圧痛、軽度の発熱などが挙げられます。

潜伏期間は、男女とも1週間~3週間あるため、クラミジアに感染したと気づくには多くの時間が必要になるということになるでしょう。

症状の悪化について

症状の悪化について

クラミジアに感染しても、ほとんど症状が現れないため無自覚なまま過ごしてしまうことになります。症状が現れないなら、放置しても大丈夫、自然に治るのでは?と思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。しかし、クラミジアは放置しておくと症状が悪化し思わぬ病気を引き起こしてしまうことがあります。

女性の場合、クラミジアに感染したまま放置してしまうと、卵管炎が引き起こされ、 子宮外妊娠や不妊症の原因となることがあります。また、クラミジアの感染が広がっていき、上腹部へ達すると肝周囲炎を引き起こすこともあるので注意が必要です。

また、男性の場合は、前立腺炎や血精液症を引き起こすこともあるので、早めに治療することが大切になると言えるでしょう。

口腔内や目の感染について

口腔内や目の感染について

クラミジアに感染する部位には、口腔内や目の粘膜も含まれています。オーラルセックス(口腔性交)などで口腔内にクラミジア・トラコマティスが感染すると、咽頭炎や慢性的な扁桃腺炎を引き起こすことがあります。

常に喉に不快感があり、風邪のような症状が続くため原因不明だと思った時は一度検査してみると良いでしょう。また、目の粘膜にクラミジア・トラコマティスが感染すると、トラコーマという結膜炎を引き起こすことがあります。

さらに、妊娠したときにクラミジアに感染していると、流産や早産の危険性が出てきたり、母子感染の危険性があったり、乳児の呼吸器に感染してクラミジア肺炎を引き起こしたりする可能性があるので、きちんと対処することが重要になります。

粘膜があれば、クラミジアに感染する危険性は潜んでいますので、性器以外の場所もきちんとチェックしておくようにしましょう。

HIVや淋病へ感染しやすい

HIVや淋病へ感染しやすい

クラミジアに感染した患者は、卵管炎や前立腺炎、咽頭炎や結膜炎などを引き起こしますが、その他に怖い病気も引き寄せてしまうことがあります。

実は、クラミジアに感染した人は、HIV(エイズ)や淋病への感染率が、クラミジアに感染していない人に比べると3杯~4倍になるといわれています。クラミジアに感染すると、他の性感染症にもかかりやすくなるからこそ、早期発見早期治療が重要となるのです。

検査について

検査について

クラミジアに感染しているかどうかは、症状だけで知ることはできません。だからこそ、検査が重要になります。男性は尿を採取して検査を行い、女性は膣分泌液を採取して検査を行います。

1時間ほどでスピーディーに結果がわかるものもありますが、確実性を求めるなら少し時間がかかっても翌日~2日後に結果がわかるタイプの検査が良いでしょう。

また、採決により血中クラミジア抗体を調べるという方法もあります。

医療機関や検査キットなどで検査することができますが、パートナーもクラミジアに感染している可能性が考えられるので、一緒に検査を受けるとより安心です。

誰でも感染はあるもの

誰でも感染はあるもの

パートナーと一緒にクラミジア検査を行うと、どちらか片方だけに反応があった場合、不安になってしまいますよね。なかには相手に不信感を覚えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

クラミジア感染は、風俗や不特定多数の相手と性行為を持った時に感染するというイメージが強いですから、ついそのような疑いをかけてしまうのは仕方がないことでもあります。

ただ、パートナーの過去の相手がたとえ1人であったとしても、その相手が過去にどのような人と関係していたのかまでは把握することはできないため、感染ルートを特定することは難しくなります。

パートナーの元恋人の、元恋人がクラミジアに感染していたとしたら、感染してしまう可能性はあると言えるでしょう。このことからも、検査によりクラミジア陽性の反応があったとしても、不安になる必要はないと言えます。

クラミジアの治療について

治療について

検査を行い、クラミジア陽性反応が出たら必ず治療する必要があります。クラミジアの治療は、男性も女性も同じで、抗生剤を内服することで治療していきます。

「アジスロマイシン単回内服」、「クラリスロマイシン」「ミノサイクリン」「ドキシサイクリン」のどれかを選ぶことになります。

「アジスロマイシン単回内服」の場合、薬の効果が持続する期間が長いため、一度内服すれば約10日間は成分が持続します。

一方、「クラリスロマイシン」「ミノサイクリン」「ドキシサイクリン」は、7日~14日間内服する必要があるため、飲み忘れが発生しないこと、比較的新しい薬であることからメリットが多いとされています。

ただ、これらの薬は有効率が90%前後のため、完治できるとは限りません。飲酒で治癒率が下がることもありますし、内服中でも性行為により再感染する可能性もあるので、治療期間中は大人しく過ごす必要があります。

精巣上体炎や前立腺炎など、尿道以外の臓器の感染が関係しているときは、「アジスロマイシン単回内服」、「クラリスロマイシン」、「ミノサイクリン」、「ドキシサイクリン」を併用して内服することもありますので、医師の指示に従うようにしましょう。

再検査について

クラミジアの治療は100%で感知できるとは限らないため、治療が終われば再検査する必要があります。再検査により、抗原の消失が確認できれば治療は終了します。

再検査として行われる抗原検査は、治療に使った薬を投与してから約3週間置いて行う必要があります。つまり、本当にクラミジアが完治したと確認できるまでは、1ヶ月近くかかるということです。それほど、クラミジアは感染力が強く、治療しにくい病気でもあります。

予防の大切さについて

予防の大切さについて

クラミジアに感染すると、検査や治療、抗原検査など多くの労力を使うことになります。また、不妊の原因となったりすることもあるので早めに発見し治療することが重要です。

クラミジアの感染力は強く、性行為を一回でも行えば感染する可能性はあります。だからこそ、未然に感染を防ぐための準備が必要なのです。クラミジア感染を予防するなら、必ずコンドームを使用し性器の粘膜が接触しないようにしましょう。

また、オーラルセックス(口腔性交)で口腔内にクラミジアが感染する可能性もあるので、相手がクラミジアに感染していないかどうかわかるまでは行うべきではありません。

最も安心なのは、性行為を行う前に一緒にクラミジア検査を受けておくのが理想的です。最近は、簡単な検査キットも出てきているので、試してみると良いでしょう。

感染経路 空気感染はしません

クラミジアにできるだけ感染したくないなら、性行為を行わないのが一番確実です。ただ、お風呂やトイレなどで感染してしまうのではないかと不安に思う方もいるようです。

クラミジアの感染は、粘膜同士の接触によるものなので、基本的にお風呂場やトイレはもちろん、空気感染などでうつることもありません。正しい知識を持って感染を予防することが最も大切です。

HIV(エイズ)検査も行おう

HIV(エイズ)検査も行おう

クラミジアに感染すると、HIV(エイズ)や淋病への感染確率が上がるとご紹介しました。どちらも怖い病気ですが、HIV(エイズ)に感染すると数年後に死に至る可能性もあるので、クラミジア検査と同時にHIV(エイズ)検査も受けておくと安心です。

どちらも、自覚症状がないまま進行してしまうことが多いため、自分だけでなくパートナーにも迷惑をかけてしまう恐れがあります。

HIV(エイズ)も早めに発見し適切な治療を受ければ、発症しない可能性も高くなるので、クラミジア検査と同時に行うようにしてください。

保健所なら無料でHIV(エイズ)検査を行えますし、検査キットで取り寄せて検査をすることもできます。匿名で陽性か陰性かを判断できるので、安心を得るためにも検査を行うようにしましょう。

パートナーと話し合おう

パートナーと話し合おう

クラミジアというと性感染症の中でも有名ですし多くの患者数がいるため、たいしたことはないと考えてしまいます。

しかし、将来不妊の原因になることもありますし、他の性感染症にかかりやすくなるリスクもあるため、真剣に考えるべき病気だと言えます。クラミジアは性行為により感染するものですから、パートナーと一緒に考えて向き合うべき問題です。

真剣にお付き合いをし、感染も防ぎたいと考えるなら、一度パートナーと一緒に話し合ってみましょう。相手も同じ気持ちなら、きっと向き合ってくれるはずです。

まとめ

クラミジアについて詳しくご紹介しました。感染経路を知ることで、未然に防ぐことが最も重要です。また、自覚症状がほとんど出ないため、感染に気付かないまま感染を広げてしまうこともあります。簡単な検査でわかるので、一度検査を行うようにしましょう。

クラミジアについて詳しく知り、正しく予防して治療することで、これ以上クラミジア感染者が広がることを防いでいきましょう。