生理前の腹痛について知っておきたいこと

身体は元気なのに、お腹だけなんだか重くて痛くなる。そんな症状を経験したことはないでしょうか。女性なら多くの方に心当たりを感じることでしょう。生理前になると、腹痛に悩まされる女性はたくさんいらっしゃいます。中にはあまりの腹痛に立っていられないほど苦しい思いをする方もいるようです。

毎月のように生理前の腹痛が起きるから、仕方がないものだと諦めていませんか?生理前の腹痛は、原因をしっかり突き止めて対処方法を実践することで和らげることが可能になります。必ず起きてしまうものだから、みんな経験していることだからと諦める前に、生理前の腹痛としっかり向き合っていきましょう。

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腹痛が起きる人と起きない人

腹痛が起きる人と起きない人

生理前に決まって腹痛が起きるようになると、毎月必ず訪れるものだと思ってしまいがちです。しかし、同じように生理が近づいている人でも、全く腹痛を感じない方もいらっしゃいます。生理前に腹痛が起きる人と起きない人とでは、何の違いがあるのでしょうか。

それにはまず、生理前に腹痛が起きる原因から探っていかなくてはなりません。生理前に腹痛が起きる原因としては、さまざまなことが挙げられます。

女性ホルモンによるもの、ストレスによるもの、もしくは全く違うことが関係していることもあります。それぞれ、いろんな原因があるからこそ特定が難しく対処方法も多岐にわたるのです。では、まず代表的な原因として多く挙げられる女性ホルモンから詳しく見ていきましょう。

女性ホルモンと腹痛

月経の仕組み

生理前に決まって腹痛が起きるのは、まず生理という現象が大きく関係しています。そもそも生理とは、受精しなかったり着床しなかったりした卵子が発生すると、そのために用意された組織がはがれおち外に排出されることを言います。

排卵された卵子は、一定期間精子の到着を待ちますが、全ての卵子が受精し着床するというわけではありません。受精した卵子を育むための組織は主に子宮内膜に作られますが、生理が終わるたびに外に排出され、その都度新しく作られます。

女性の身体は28日周期で生理と排卵を繰り返し、排卵された卵子がいつでも受精や着床ができるようにしているのです。

2種類の女性ホルモン

2種類の女性ホルモン

生理や排卵を繰り返す女性の身体は、2種類の女性ホルモンが主に作用しています。ひとつは、卵胞ホルモンと呼ばれ、主に卵子を育てて排卵するお手伝いをします。もうひとつは黄体ホルモンと呼ばれ、排卵された卵子が着床するお手伝いをします。

これらの女性ホルモンは、排卵と生理をきっかけにバトンタッチします。排卵をきっかけに卵胞ホルモンから黄体ホルモンに切り替わり、生理をきっかけに黄体ホルモンから卵胞ホルモンに切り替わります。

生理前の期間は、主に黄体ホルモンが活発に分泌されており、生理が始まると徐々に卵胞ホルモンの分泌が活発になっていくのです。

黄体ホルモン(プロゲステロン)

黄体ホルモンが分泌されている期間は身体に不調が発生しやすく、腹痛もその症状のひとつと考えられています。

生理前に起きるさまざまな不調は、月経前症候群と言われており、PMSと略されて表示されることもあります。多くの女性が経験している月経前症候群には、腹痛のほかにどのような症状があるのでしょうか。

月経前症候群(PMS)について

月経前症候群(PMS)について

生理前になると、黄体ホルモンの影響から月経前症候群が発生しやすくなります。多くの女性が経験していますが、その症状は人によりさまざまです。腹痛を感じる方もいれば、胃がムカムカして吐き気が出てきたり、頭がズキズキして憂鬱になったりすることもあります。

また、眠気が強くなったり、食欲が増幅したり、感情面で波が出てきたりするため、女性にとってはあまり楽しい時期とは言えないのが実情です。実際に、黄体ホルモンが分泌されている期間は活動も消極的でネガティブな発想が優位になる傾向が強まります。

月経前症候群は一時的なときもあれば、慢性化することもありますが、この期間は無理をしないことが大切になるでしょう。

生理前の痛みの様子、症状は?

痛みの様子

生理前になると発生する腹痛ですが、月経前症候群としてたくさんの女性が経験しています。では、具体的にどのような痛みが生じるのでしょうか。生理前に発生する腹痛として多いのが、下腹部を中心とした痛みです。

ズーンと重い鈍痛だったり、チクチクと刺すような痛みだったり、お腹が張るように痛みが出たり、ズキズキと締め付けられるように痛みが出たりします。

人により感じ方は異なりますし、痛みのレベルも違いますが、生理が始まるとピタリと痛みが治まったり、生理が中盤まで長引いたりすることもあります。

生理前~生理中盤の腹痛

生理前~生理中盤の腹痛

生理前になると、月経前症候群として腹痛が発生することがあります。しかし、月経前症候群は基本的に生理が始まると消失するのが一般的です。では、生理前から継続して生理の中盤まで続く腹痛にはどんな原因があるのでしょうか。

この期間に腹痛が継続する場合、子宮内膜から分泌されるホルモンが関係している可能性があるでしょう。プロスタグランジンという物質で、筋肉の収縮や出血の排出を促すものです。具体的にどんな作用があるのか、見ていきましょう。

プロスタグランジンの影響

プロスタグランジンE2

生理前から生理中盤まで腹痛が続く場合、プロスタグランジンというホルモンが関係している可能性があります。プロスタグランジンは、子宮内膜で黄体ホルモンから分泌されるもので、筋肉を収縮させ不要になった組織や経血を外に出しやすくするために必要なものです。

プロスタグランジンは、E1、E2、E3と3つの種類に分類され、それぞれ役割が異なります。プロスタクランジンE1は、月経前症候群や生理痛を和らげる作用があります。

しかし、プロスタクランジンE2は、子宮周辺の筋肉を収縮させる作用があるため、月経前症候群などを引き起こしてしまいます。プロスタクランジンE3は、子宮周辺の筋肉が過剰に収縮するのを抑えてくれる作用があります。

プロスタグランジンは、3つのバランスで成り立っていますが、バランスが崩れ、E2が優位に働くと、月経前症候群のひとつとして腹痛を引き起こしてしまうのです。

生理前の傷みがひどくなる原因は?

傷みがひどくなる原因

生理前から生理中盤まで腹痛が続く場合、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンのバランスが乱れていたり、過剰に分泌されていたりする可能性があります。プロスタグランジンのバランスや分泌が乱れる原因としては、血行不良が挙げられるでしょう。

血行不良が生じると、子宮周辺の筋肉が収縮しづらくなるため、プロスタグランジンをたくさん分泌させて不要な組織や経血を外に押し出そうとします。

そのため、過剰にプロスタグランジンが分泌され、結果的に強い収縮が起きて激しい腹痛が引き起こされてしまうのです。慢性的な冷え性がある方や、お腹を冷やしやすい方は、プロスタグランジンが分泌されやすく、腹痛も起きやすいので注意しましょう。

年齢や経験値の違いで痛み方が違う?

年齢や経験値の違い

生理前に腹痛が起きやすい女性は多いですが、実は年齢や経験値により腹痛の発生率が異なります。実は、年齢が若く出産経験がない人ほど生理前に腹痛が生じやすいのです。

このような方は子宮頸管が狭く、子宮内膜からはがれた不要な組織や経血が排出しにくくなります。そのため、プロスタグランジンが積極的に分泌され、どうにかして狭い出口を広くしようとするため、腹痛が強くなってしまうのです。骨盤のゆがみも子宮頸管を狭くしてしまいますので、猫背だったり脚を組んだりする方は注意しましょう。

妊娠超初期症状の可能性も考える

妊娠超初期症状の可能性も考える

いつもはあまり腹痛を感じていなかったけれど、今回は珍しく生理前に腹痛が起きると言う場合、妊娠している可能性があるでしょう。妊娠超初期に起こる腹痛は、着床した受精卵を育てるために、子宮が大きく広がろうとしていることから引き起こされます。

この痛みは、プロスタグランジンによる子宮収縮の痛みと似ているため、毎回生理前に腹痛が起きている方も気づかないことが多いので注意が必要です。また、着床痛と呼ばれることもあり微量の出血を伴うこともあります。

基礎体温をつけている方なら、高温期が続くので妊娠の可能性を発見しやすくなるでしょう。生理予定日を過ぎてもなかなか生理がこない場合は、一度妊娠検査薬や病院で調べてみるようにしてください。

病気が原因の可能性も

病気が原因の可能性も

生理前の腹痛があまりにも酷い場合は、病気の可能性を考えましょう。若い女性に増えている子宮内膜症は、簡単に言うと子宮内膜が子宮内部以外にできてしまう病気で、月経血が卵管を逆流して腹腔内に溜まってしまい、そこから痛みが発生します。

子宮内膜症になると下腹部だけでなく肛門や膣の奥も痛くなり、その痛みで生理前になると気絶してしまう方もいらっしゃいます。子宮内膜症が不妊の原因に直結するわけではありませんが、重症になれば癒着をはがすため子宮・卵巣摘出する手術をしなければなりません。

早く治療を開始すれば投薬治療で改善する事も多いですから、痛みがおかしい時は躊躇せず病院を受診してください。特に妊娠を望む方は、早めの治療が大事です。

生理前腹痛の対処方法

生理前に起きる腹痛には、さまざまな原因がありますがどのように対処すると和らぐのでしょうか。

お腹を温める

お腹を温める

まずやるべきこととして、身体を温めることを優先させましょう。子宮周辺が冷えていると、血流が滞りプロスタグランジンが過剰に分泌される可能性があるからです。湯船につかって身体を温めるのも良いですが、外出中や入浴できない場合は、ホッカイロを活用しましょう。

腰とおへその下にホッカイロを貼ることで、骨盤周りをじんわりと温めることができます。また、手足が冷えると内臓も冷えてくるので気をつけることも大切です。温かい季節でも、冷房などで冷えることもあるので、お腹周りはとにかく冷やさないようにしましょう。

姿勢を正し、ストレッチも有効

姿勢について

生理前に起きる腹痛を和らげるには、姿勢を正すことも必要です。骨盤がゆがむと子宮頸管の幅が狭くなり、プロスタグランジンが過剰に分泌される可能性があるため、正しい姿勢を心掛けましょう。

定期的にストレッチをして、脚を組んだりしないようにしてください。クッションを使って骨盤がゆがまないように工夫したり、ヒールの高い靴ばかりを履いたりしないようにしましょう。また、ヨガやトレーニングジムなどで身体をメンテナンスすることもオススメです。

適度にストレッチをしたり、身体を動かしたりすることで、血流も改善され腹痛も和らぎやすいので実践してみてください。

食生活を見直そう

食生活を見直そう

生理前に腹痛が起きやすい方は、食生活を見直す必要があるかもしれません。例えば、カフェインを多く摂取している方はホルモンバランスが崩れやすくなるため、腹痛が発生しやすくなります。

コーヒーだけでなく、紅茶や緑茶にもたくさんカフェインが含まれていますし、栄養ドリンクにもたくさんのカフェインが含まれていますので摂りすぎには注意しましょう。

また、脂っぽい食事や甘い食べ物は血液をドロドロにして血流を滞らせてしまいます。腹痛を和らげるためにも、野菜中心の身体に優しい食べ物を摂るようにしましょう。

腹痛に効く食べ物

腹痛に効く食べ物

腹痛を和らげるためには、ホルモンや血流にアプローチする栄養素を摂取するのもオススメです。例えば、ビタミンEにはホルモン分泌をコントロールするだけでなく、血行を促進させたり、身体の冷えを和らげたりする作用があります。

アーモンドなどのナッツ類や、カボチャなどの緑黄色野菜、うなぎやオリーブ、ごま、アボカドなどの油にも含まれています。

また、DHAやEPAには、子宮周辺の筋肉が過剰に収縮するのを抑え、血行を促進させる働きがあります。特にプロスタクランジンE3を作る働きがあるため、積極的に摂取していきましょう。イワシやサバなどの青魚やマグロなどにたっぷり含まれています。

女性と言えばイソフラボン

女性と言えばイソフラボン

生理関連のサポートをしてくれる成分として忘れてはいけないのが、イソフラボンです。大豆イソフラボンとして一躍有名になったのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

イソフラボンには、エストロゲンという女性ホルモンと似た働きをすることができるため、乱れたホルモンバランスを整えることができます。

豆乳はもちろん、きな粉や豆腐、納豆、味噌などの大豆製品にたっぷりと含まれていますので、毎日1品は加えるようにしましょう。

生活リズムを見直そう

生活リズムを見直そう

身体にいい食べ物を取っていても、生活リズムが乱れているとホルモンバランスも影響を受けてしまいます。睡眠時間はしっかりと確保し、適度な運動を心掛けるようにしましょう。

また、喫煙や飲酒は血管収縮を引き起こし、腹痛をひどくさせる恐れもあるため、過剰摂取は控えるようにしましょう。

きつい時や不安なときは病院へ

きつい時や不安なときは病院へ

生理でもないのに腹痛で病院へ行くなんてと、受診するのを戸惑ってしまう方もいらっしゃるでしょう。しかし、何か病気が隠れているケースも考えられますから、仕事や家事に支障が出る場合は、生理前の症状であっても病院で相談してください。

腹痛は妊娠状態になるとなくなる事が多いため排卵を抑える低用量ピルや、あまりにも痛い場合は鎮痛剤、全体の調子を整えるための漢方など、患者の状態によってベストな処方をしてくれるので、一度受診する事をおススメします。

特に生殖系の異常は本人が常にチェックしていないと分からない事も多いですから、ちょっとでも気になる時は放っておかず病院で検査を受けましょう。

まとめ

生理前の腹痛についてさまざまな情報を幅広くご紹介しました。原因ひとつひとつを探り、それに適した対処方法を実践していくことで、辛い生理前の腹痛から解放されていきましょう。

しかし、対処方法だけでは改善できない場合や、激しい腹痛を伴う場合は病院で診てもらうようにしてください。生理による腹痛以外の原因が隠されている可能性もあるので、我慢しすぎないようにしましょう。

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