女性の身体は、少しのことで変化しがちです。仕事が忙しくなったり、風邪などの体調不良に見舞われたりしただけでも生理周期が乱れてしまうことがあります。中でもちょっと気がかりになってしまうのが、生理以外の時期に発生する不正出血です。

不正出血が起きる原因はいろいろありますが、なかには病気が関係していることもあります。さまざまな状況で不正出血は発生しますが、特に気をつけたいのが腹痛を伴う不正出血です。

腹痛を伴う不正出血は、病気やホ の異常など、さまざまな身体の不調が影響している可能性があると言われていますので、放置せずにすぐに診察を受けることが大切です。

不正出血と腹痛にはどんな関係性があるのか、またどんな点に気をつけるべきか、詳しくご紹介していきますので参考にしていただければと思います。

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不正出血と腹痛

不正出血と腹痛

不正出血とは、生理以外の時期に性器から出血することを言います。短期間のうちに少量で終わるものから、ナプキンでも追いつかないほど大量の出血が伴うものまでさまざまですが、いろんな原因が関係している可能性があるため、たとえ少量であっても注意が必要です。

不正出血の中でも腹痛を伴うものは特に注意が必要になります。ただ、不正出血の原因によっては軽い腹痛が伴うものでも深刻な状況ではないこともありますので、一概に「腹痛を伴う不正出血=病気」とは言い切れません。

腹痛を伴う不正出血の原因にはどんなものがあるのか、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

排卵による不正出血と腹痛

排卵による腹痛

不正出血の中でも深刻な状況ではないもののひとつとして、排卵による不正出血があります。これは、排卵が起きたときのホルモンバランスの変化により起こるもので、軽い腹痛を伴うことがあります。

排卵による不正出血が起きるのは、排卵日近辺であることが多く、卵子の成長をサポートしている卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少したことにより引き起こされます。

おりものに少量の血液が混じる程度の不正出血で、1日~3日ほどで治まるのが通常です。全ての人に起こるものではありませんが、本人も気づかないうちに排卵による不正出血が起きていることもあります。

生理周期が安定しており、生理と生理との中間くらいの時期に発生した少量の不正出血なら、排卵による不正出血である可能性が高いと言えるでしょう。

ホルモンバランスの乱れ不正出血と腹痛

ホルモンバランスの乱れの腹痛

不正出血が起きる原因として、ホルモンバランスの乱れから生じることがあります。女性の身体に排卵や生理が引き起こされるのは、女性ホルモンによる働きが大きく関係しています。

排卵による不正出血でもご紹介した、卵胞ホルモン(エストロゲン)と、黄体ホルモン(プロゲステロン)が働くことから、女性の身体には安定して排卵や生理が起きるしくみとなっているのです。ただ、これらの女性ホルモンは活発に分泌される時期が異なり、身体に作用する働きも異なります。

そのため、女性ホルモンの分泌が乱れることにより、不正出血を伴う可能性も高くなってしまいます。

それぞれの女性ホルモンは身体にどのような働きをしているのか、また分泌が乱れることにより具体的にどのような変化が生じ、不正出血に繋がるのか、詳しく見ていきましょう。

卵胞ホルモンの働きとは

女性ホルモンのひとつに、卵胞ホルモン(エストロゲン)があります。主な働きとしては、卵巣にいる卵子のひとつを成長させ排卵させることと、子宮内膜を厚くすることがあります。

子宮内膜を厚くさせるのは、卵子が受精したときに着床しやすくするためです。ただ、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が過剰になると、必要以上に子宮内膜が厚くなりすぎてしまうため、少しの刺激で不正出血が発生しやすくなります。

卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が安定せず

卵胞ホルモン(エストロゲン)が活発に分泌される期間は、生理が終わってから排卵が起きるまでの期間ですが、排卵を機に徐々に分泌量は減少していきます。そして、生理前になると黄体ホルモン(プロゲステロン)と共に一気に減少し、生理を引き起こすのです。

しかし、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が安定せず、活発に分泌されている時期なのに一時的に減少してしまうと、生理に似た症状が起きて、不正出血が起きてしまうようになります。そのため、生理痛のように腹痛を伴う不正出血になることがあるのです。

黄体ホルモンの働きとは

女性ホルモンのひとつとして、黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。主な働きとしては、排卵されるきっかけを作ることと、卵子を受精させること、そして受精卵を子宮内膜に着床させることがあります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が安定せず

黄体ホルモンが活発に分泌されるのは、排卵される時期から生理が始まるまでの期間で、受精卵が成立せず、着床にも至らなかった杯は徐々に分泌量が減少していきます。

そして、生理前になると卵胞ホルモン(エストロゲン)と共に一気に減少し、生理を引き起こすのです。

しかし、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が安定せず、分泌期間が極端に短い場合や一時的に減少した場合、早い段階で生理の準備が開始されてしまいます。そのため、生理予定日より少し早い時期に腹痛を伴う不正出血が起きてしまうことがあるのです。

生理のしくみについて

生理のしくみについて

女性の身体に排卵と生理を引き起こす女性ホルモンの働きについてご紹介しましたが、ホルモンの分泌量が乱れることが不正出血を招くということがお分かりいただけたと思います。

ホルモンの分泌量の乱れにより不正出血が引き起こされるのは、生理に似た症状が起きやすくなるからです。生理は、受精に至らず着床にも至らなかった場合、不要になった子宮内膜の組織が剥がれおちることを言います。

子宮内膜の組織が剥がれおちるのは、それぞれの女性ホルモンの分泌が減少してしまうことがきっかけです。

そのため、ホルモンの分泌が乱れ、一時的でも減少することで子宮内膜の組織が剥がれ始め、不正出血を招いてしまいます。また、生理に似た現象が起きることから、生理痛として良く起きる腹痛も一緒に生じることが多いのです。

妊娠による不正出血と腹痛

着床 腰痛

女性の身体に不正出血が起きるのは、何も悪いことだけではありません。妊娠により不正出血が起きることもあるのでご紹介しておきましょう。

妊娠は、卵子と精子が結びつき受精卵になった後、子宮内膜に着床することを言います。受精卵が子宮内膜に着床する時、しっかりと根を張れるようにと絨毛が子宮内膜の組織に潜り込んで行くため、組織の一部が傷つき出血してしまうことがあります。

妊娠による不正出血は、生理予定日より数日早い時期におき、わずかに腹痛も伴うことがあるため、生理が早めに始まったと勘違いする方もいるようです。

ただ、少量の出血は数日で終わることが多いため、通常の生理とは違うと感じたら妊娠検査薬を試してみるようにしましょう。

流産による不正出血と腹痛

流産による腹痛

妊娠により不正出血が起きることがありますが、これは自然に発生することで特に心配する必要はありません。しかし、産婦人科で妊娠の事実が告げられた後に、腹痛を伴う不正出血が起きた場合は注意しましょう。

妊娠後に、腹痛を伴う不正出血が起きた場合、流産する可能性があります。身体に負担が生じた場合や、遺伝子などの問題から腹痛を伴う不正出血が起きることがあるため、少量で腹痛の痛みが弱い場合でも、必ず病院で診察を受けるようにしましょう。

早めに適切に処置をしておかなければ、流産してしまう可能性が上がってしまいます。妊娠初期の頃は、流産しやすい時期なので、少しの不正出血であっても、油断は禁物だと覚えておきましょう。

膣炎による不正出血と腹痛

膣炎による不正出血と腹痛

膣炎といっても、感染症・性交・ホルモン現象による萎縮など原因は非常に様々です。それだけでなく、タンポンの使用や強い成分の洗剤を使って洗うのも、子宮内部に侵入する菌が繁殖してしまう原因となります。

また、締めつけが強い化学繊維の下着や通気性の悪い服装をするだけでも菌が繁殖する環境になってしまうので、膣炎はちょっとした事で誰にでも起こりえる病気と考えて良いでしょう。

中でも感染症による膣炎の場合は、不正出血と強い腹痛を伴います。すでに進入してしまった菌には抗生物質が効果的ですが、やはり治療が早いほど効果も早く出ます。膣炎を予防するには洗い過ぎないこと・通気性の良い下着や服装にすること・免疫力を高めることなど、薬よりも日常生活のポイントが大事になってきます。

病気による不正出血と腹痛

腹痛を伴う不正出血の中で、特に心配したいのが病気によるものです。子宮頚部や子宮内膜、卵巣などさまざまな箇所に病気が生じることで、不正出血が起きることがあるので注意が必要です。

病気により、腹痛を伴う不正出血が起きるものとしては、子宮内膜炎、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮腟部のびらん、クラミジア頸管炎、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、卵巣腫瘍などがあります。それぞれ簡単にご紹介しておきましょう。

子宮内膜炎について

子宮内膜炎について

子宮内膜症は、子宮内膜にさまざまな病原菌が感染する病気のことです。腹痛を伴う不正出血がおきるだけでなく、腰痛やおりものが増えるなどの症状が引き起こされます。

20代~30代に多く発生すると言われ、女性全体の1割近い人が発症しているとされています。

子宮内膜ポリープについて

子宮内膜ポリープについて

子宮内膜ポリープは、子宮内にポリープができてしまう病気のことです。腹痛を伴う不正出血がおきるだけでなく、生理が多くなったり、生理痛がひどくなったりします。

また、不妊を招くこともあるため、なかなか妊娠しないという方は子宮内膜ポリープの可能性を疑った方がいいかもしれません。

子宮筋腫について

子宮筋腫について

子宮筋腫は、子宮内に腫瘍ができる病気ですが、良性の腫瘍なので経過観察で対処することができます。20代~40代の女性に多くみられる病気で、症状がなかなか現れないこともあります。

子宮筋腫では、軽い腹痛を伴う不正出血が発生することもありますが、生理痛が重く出血量が多いことから判明することも多くあります。

生理の回数が多くなったり、生理期間が長くなったり、経血量が徐々に増えていると感じたときは、一度診察を受けた方が良いでしょう。薬やピルなどで治療することが多いですが、腫瘍が大きくなってきた場合は、手術で摘出する必要があります。

子宮腟部のびらんについて

子宮腟部のびらんについて

子宮頚部のびらんは、子宮の出口付近に現れる病気です。子宮の出口付近は非常にデリケートで、軽い刺激でもすぐに出血してしまいます。性交などにより傷つき、出血してしまうこともあるので注意が必要です。

何度も傷つき出血が繰り返されることで子宮頚部がただれた状態になるため、腹痛などの症状を伴った不正出血が続くことがあります。

何日も不正出血が続く場合は注意が必要ですが、数日で治まるようであれば安静にしておくことで症状は緩和されてきます。

クラミジア頸管炎について

クラミジア頸管炎について

クラミジア頸管炎は、子宮頸部にクラミジアという菌が感染する病気のことです。腹痛が発生したり、不正出血が起きたり、黄色くて膿状のおりものが出てきたりします。性交により感染することがあるため、清潔な状態で性交することが重要です。

抗生剤で治療することができますが、妊娠中にクラミジア頚管炎を発症すると、流産や早産の危険性や、破水する恐れもあるので注意が必要です。

子宮頸がんについて

子宮頸がんについて

子宮頚がんは、子宮頚部にがんが発生する病気のことを言います。20代~30代くらいに多く発症するもので、初期症状はなく進行したころに腹痛や不正出血が現れるのが特徴です。

手術で摘出したり、放射線治療を行ったり、薬などで治療したりするのが一般的です。

子宮体がんについて

子宮体がんについて

子宮体がんは、卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響により引き起こされる病気です。40代以降の閉経した女性に多く発症するもので、閉経後に腹痛を伴う不正出血が起きたときは、子宮体がんの可能性を疑いましょう。

治療法としては、手術、放射線、化学療法などがあります。

卵巣がん・卵巣腫瘍について

卵巣がん・卵巣腫瘍について

卵巣がんと卵巣腫瘍は、卵巣に腫瘍ができる病気のことを言います。良性か悪性か判断しづらい部分があるため、きちんと検査を受けることが重要になります。

卵巣がんと卵巣腫瘍は、腹痛を伴う不正出血だけでなく、腰痛も引き起こされやすいのが特徴です。進行具合により手術、放射線治療、化学療法のどれかを選ぶことになるでしょう。

ストレスによる不正出血と腹痛

ストレスによる不正出血と腹痛

ストレスは自律神経を狂わし女性ホルモンの分泌を不安定にする、最も大きな要因です。女性の体はデリケートですから、女性ホルモンの分泌が正常でなければすぐ不正出血へと結びつきます。

また、ストレスは交感神経の働きを過剰にしますが、バランスをとろうと副交感神経も過剰になり、それを繰り返してどちらも過剰になってしまうのです。交感神経は胃腸の働きを鈍らせるので便秘となり、それが腹痛を引き起こします。

反対に副交感神経は胃腸の動きを活発化させますが、副交感神経が過剰になっているため効きすぎて腹痛や下痢になってしまい、この場合もまた腹痛の原因となります。ストレスの場合、自律神経と女性ホルモン両方が原因で不正出血と腹痛が起こるといえます。

まとめ

腹痛を伴う不正出血について幅広くご紹介しました。いろんな原因があるため、腹痛を伴う不正出血が起きたら即病気と判断されるわけではありませんが、生理以外の時期に出血が起きたときは、少量であっても病院で診察を受けるようにしましょう。

腹痛を伴う不正出血の原因が妊娠によるものなら早めに対処することができますし、女性ホルモンの乱れによるものなら生活習慣を見直すことで対処することができます。また、病気によるものならすぐに治療をスタートさせることで回復を早めることができるでしょう。

いずれにしても、腹痛を伴う不正出血が起きたときは病院で診察を受け、原因をしっかり突き止めるようにしてくださいね。

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