月経前症候群について知っておきたいこと

なんだか身体の調子や気分が優れないと思っていたら、生理が来て納得したという経験はないでしょうか。生理前になると、毎回のように身体や気分に不調が現れるのは「月経前症候群」である可能性があります。

月経前症候群って何?と初めて聞いたという方もいらっしゃるでしょう。月経前症候群にはどんな症状が含まれ、どんな治療方法があるのか知っていくことで、症状を徐々に緩和していくことができるはずです。そこで、月経前症候群に関する様々な情報を詳しくご紹介していきましょう。

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月経前症候群とは

月経前症候群とは

月経前症候群とは、生理の前に起きるさまざまな身体や気持ちの不調のことを言います。生理が始まる1週間~2週間前から起きることが多く、症状の現れ方や程度は人それぞれ異なります。

月経前症候群は英語でPremenstrual Syndromeと呼ばれ、「PMS」と略されて表示されることも多いため、PMSという言葉の方が馴染みのある方もいらっしゃるでしょう。では、月経前症候群(PMS)には具体的にどんな症状が含まれているのか、具体的にご紹介していきます。

PMSとPMDD

生理前の月経前症候群(PMS)の症状は200以上にのぼるとも言われていて、個人によって現れる症状は実に様々です。

特に、体の不調はあまり感じないのにイライラや落ち込みが酷いような、身体的症状よりも精神的症状が強く現れる場合は月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder =PMDD)と呼ばれます。

PMDDの症状に悩む方は少ないですが、周りの人間関係にまで悪影響を与えてしまうなど、深刻度はPMSよりも大きいと言えるでしょう。

発生する時期が異なるだけでPMDDとうつ症状はよく似ていて、婦人科以外を受診してしまうとうつと診断され間違った治療をしてしまう事があります。そうならないためにも、自分の体調をよくチェックする必要があるでしょう。

生理前の症状について

症状について

月経前症候群(PMS)には、さまざまな症状が含まれています。代表的な症状としては、気持ちがイライラしてしまう、お腹が痛くなる、頭痛や頭が重くなる、眠気がコントロールできなくなる、胸の張りが強くなり痛みを感じる、などがあります。

その他にも、吐き気がある、お腹が膨らむ、腰痛が出る、肩こりがひどくなる、頭がのぼせたようにボーっとなる、動悸がでる、めまいが起きる、貧血気味になる、肌荒れがでる、背中や股などに吹き出物ができる、フケが出やすくなる、まぶたや歯茎が腫れる、皮膚が乾燥してかゆみが出てくる、身体全体がむくんでくる、体重が増える、甘いものや脂っこいものが食べたくなる、食欲が減少する、便秘や下痢に悩まされる、デリケートゾーンにかゆみが出てくる、おりものが増えてくる、などが挙げられます。

月経前症候群(PMS)には他にもさまざまな症状が含まれており、自分自身でも気づかなかった症状が月経前症候群(PMS)に該当する可能性もあります。同じ時期に同じような症状に悩まされているという方は、一度月経前症候群(PMS)をチェックしてみると良いでしょう。

生理前の症状の特徴

症状の特徴 頭痛のタイミング

月経前症候群(PMS)にはさまざまな症状が含まれているため、ひとつやふたつ同じような症状を持っている方もいらっしゃるでしょう。では、普通の頭痛と月経前症候群(PMS)による頭痛とでは何が違うのでしょうか。それは、症状が現れる期間を見比べるとわかりやすいでしょう。

慢性的な頭痛の場合、生理に関係なく日常茶飯事に継続的に頭痛の症状が現れますが、月経前症候群(PMS)による頭痛の場合、生理前の1週間~2週間の期間にだけ現れ、生理が始まると途端に症状が治まるという特徴があります。

同じような症状が周期的に現れ、生理が始まると消失するようなら、その症状は月経前症候群(PMS)である可能性が高いと言えるでしょう。

原因について

原因について

月経前症候群(PMS)にはさまざまな症状が含まれています。では、なぜ生理前になるとこのような症状が現れてしまうのでしょうか。実は、月経前症候群(PMS)の原因はハッキリと解明されているわけではないのです。

しかし、月経前症候群(PMS)が起こる期間が、排卵後~生理前の期間であることから、女性ホルモンが大きく関係していると考えられています。排卵が行われると、女性ホルモンのひとつである「黄体ホルモン」が積極的に分泌され始めます。急激に増えた黄体ホルモンの影響により、全体的なホルモンバランスが崩れてしまうため、身体や気持ちも不安定になると考えられているのです。

別名ブスホルモン!?

女性ホルモンの流れ

月経前症候群(PMS)は、排卵後にたくさん分泌される黄体ホルモンが関係していると考えらえています。この黄体ホルモンですが、実は別名ブスホルモンとも呼ばれています。

黄体ホルモンがブスホルモンと呼ばれる理由は、黄体ホルモンに含まれるプロゲステロンが皮脂を活発に分泌させたり、メラニンを生成しやすくさせたりするため、肌トラブルを引き起こしやすくさせるからです。

また、水分を保持しやすくさせるため、むくみが出やすく熱が逃げにくくなって火照りが生じることもあるため、ブスに見える症状を引き起こすのも関係しています。肌の調子が悪いと気持ちも落ち込んでしまいがちになりますから、悪循環を生むホルモンと言えるでしょう。

月経前症候群(PMS)の割合

月経前症候群(PMS)の割合

さまざまな症状を引き起こす月経前症候群(PMS)ですが、どれくらいの女性が悩んでいるものなのでしょうか。

実際にリサーチしてみると、実に8割近い女性が月経前症候群(PMS)を感じていることが判明しています。年齢としては20代~30代が特に多く、その症状が月経前症候群(PMS)であると気づいていない人も多いようです。

月経前症候群(PMS)とうまく付き合っていくためには、まず定期的に起きる症状が月経前症候群(PMS)であることを認識することが大切です。さまざまな症状を照らし合わせ、今起きている状態は一時的なものだと理解するだけでも安心感が得られ、症状を和らげることができるでしょう。

症状のレベルについて

多くの女性に現れる月経前症候群(PMS)ですが、人それぞれ症状の現れ方には違いがあります。生活や仕事に支障が出るほど強い症状になる人もいれば、ほとんど感じないレベルの人もいらっしゃるでしょう。辛い症状が長引く場合は、具体的な症状の現れ方を記録し、婦人科に相談するようにしましょう。

じっと座り続けることができない、作業に集中できない、歩くとフラフラする状態なら、きちんと治療していく必要があります。月経前症候群(PMS)はきちんと治療し、対処していくことで症状を和らげることができますので、具体的にご紹介していきましょう。

症状を和らげる方法

月経前症候群(PMS)の症状は、黄体ホルモンの影響が関係していると考えられていますが、その他にも精神的なストレスや生活習慣も大きく関係してきます。

食生活の改善

食生活の改善

月経前症候群(PMS)を和らげるためにも、毎日の生活習慣から見直していきましょう。身体へのストレスを和らげるためにも、刺激の強い食べ物は避け、身体に必要な栄養素をバランスよく取ることが大切です。

例えば、緑黄色野菜や海草類は多めに摂り、肉より豆類からたんぱく質を取るようにしましょう。また、主食はお米にして玄米にするとなお良いです。そばなど生成していない穀類や、オールブランなども良いでしょう。

逆に、身体に刺激になりバランスを崩しやすくしてしまうものは避けるようにしてください。小麦粉はできるだけ控え、糖分や脂の多い食べ物も控えるようにしましょう。ケーキやパン、パスタなど洋菓子や洋食は避け、それに合うコーヒーや紅茶などカフェインの刺激物も控えるようにすれば、月経前症候群(PMS)を和らげる効果が期待できます。

ストレスを軽減

ストレスを軽減

月経前症候群(PMS)はストレスの影響も受けているため、日々のストレスを上手く発散させることが重要です。睡眠不足は身体にとっても精神的にも大きなストレスになりますから、生理前の期間はできるだけ長めの睡眠を心掛けるようにしましょう。

また、眠りを深くするためにも湯船にしっかり浸かって身体を温めておくことも大切です。香りのよいアロマオイルを使用し、間接照明でリラックスしながら眠ることができれば、気分もスッキリとしてくるでしょう。

カラオケやウィンドウショッピング、ヨガなど自分なりのストレス発散方法を見つけるようにし、ストレスをためないようにすることが、月経前症候群(PMS)を和らげる早道だと言えます。

症状を把握しよう

症状を把握しよう

月経前症候群(PMS)の影響を最小限にするためにも、症状が現れたときにはそれをきちんと記録するようにしましょう。いつから症状が出はじめたのか、具体的な症状の重さや、症状が和らいだ日の行動や食べ物を記録していくと、次に同じような症状が現れたとしても対処しやすくなります。

暴飲暴食した次の日に月経前症候群(PMS)の症状が重くなったとしても、原因が特定されているため、困惑することも少なくなってきます。きちんと症状を把握することで、戸惑いや不安が解消されてストレスも軽減し、結果的に月経前症候群(PMS)も和らいでくるでしょう。

漢方薬を試してみよう

漢方薬を試してみよう

ストレスをためないようにし、生活習慣もできるだけコントロールしているつもりでも、なかなか月経前症候群(PMS)が治まらない場合は、漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。

桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、五苓散(ゴレイサン)抑肝散(ヨクカンサン)、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)などが月経前症候群(PMS)に効果があると言われています。体型や体質により適した漢方薬は異なりますので、一度相談しに行ってみると良いでしょう。

病院での治療

病院での治療

さまざまな方法を試しても、月経前症候群(PMS)が治まらない場合は、病院で治療を受けてみましょう。病院では、低用量のピルを使用して治療を進めていきます。

ピルというと避妊のイメージが強かったり、副作用の影響が心配だという方が多かったりしますが、低用量のピルであれば安心して治療することができます。ピルを使用することでホルモンの分泌を一定量にコントロールすることができるため、月経前症候群(PMS)の原因である黄体ホルモンの分泌を抑えることができるでしょう。

初めはピルを使用することに抵抗感があった人も、実際に使ってみると症状が大幅に和らぐことが多く、早く使った方がよかったという意見が多いようです。また、生理が不順になりがちな方もピルを使用することで周期が安定し、月経前症候群(PMS)が落ち着きやすくなるとも言われています。月経前症候群(PMS)だけでなく生理不順が気になるという方は、一度医師に相談してみると良いでしょう。

精神的な症状

精神的な症状

月経前症候群(PMS)の中には、精神的な症状として現れるものもあります。イライラしてしまったり、気分がひどく落ち込んでしまったり、かんしゃくを起こして怒鳴ったり、ひどい場合は鬱状態になるケースもあります。

精神的な症状の場合、本人が自覚しづらいことも多く、周りも理解しづらいため、孤立しやすい傾向にあります。そのまま放置すると症状が悪化してしまうこともあるので早めに受診するようにしましょう。

月に1度、激しく気持ちが不安定になると感じた場合は、婦人科でも精神科でも良いので相談してみるようにしてください。気持ちが不安定になってしまう原因が、月経前症候群(PMS)だとわかるだけでも、症状が和らいできます。

PMS症状は年代で変わるのか?

PMS症状は年代で変わるのか?

卵巣や子宮の成熟度やホルモン分泌量は、年代によって変わります。ですから、一口に月経前症候群と言っても初潮を過ぎたばかりの10代女子と閉経間近の40代では、まったく症状の現れ方が異なるのです。

例えば10代から20代だと、下腹部通や乳房の張り・めまいなど体の不調が現れやすくなりますが、30代になると仕事や家事のストレスが溜まりやすいため、イライラや落ち込みなど精神的な症状が目立つようになります。

ある日突然生理前に体調を大きく崩したり、今までなかったような症状が出てきた時は、体が変化を迎えているのかもしれません。あわてずに自分の変化をよく確認しておくと、後々の対処が楽になるでしょう。

これくらいでと思わない

これくらいでと思わない

月経前症候群(PMS)がある女性は数多くいるにもかかわらず、自覚したり、治療したりしている人たちはまだまだ少ないのが現状です。なぜなら「生理前はこれくらいなるのが当たり前だ」と思っている女性が多いからです。

「これくらいの痛みで病院に行くのは大げさな気がする」「生理が来るまでは我慢しよう」としてしまうと、どんどん症状を悪化させてしまう可能性もあります。

月経前症候群(PMS)の辛さは人によって違いがあるため、一概にどのレベルにまで達したら受診が必要か、明確にボーダーラインを引くことができないので、少しでも辛いと感じたらすぐに治療に取り掛かるようにしましょう。

まとめ

月経前症候群(PMS)について、詳しい情報を幅広くご紹介しました。本人に自覚がないケースも多いため、周期的に同じような症状が現れる場合は、月経前症候群(PMS)を疑ってみましょう。今まで疑問に思っていた症状が、生活習慣を整えたり、ストレスを緩和させたり、漢方薬を試したり、低用量ピルを使用したりすることで軽減していくことができます。

月経前症候群(PMS)をコントロールすることができれば、これから同じような症状が出ても原因不明だと不安になったり我慢し続けたりする必要もなくなるでしょう。

まずは、自分が密かに思っていた症状が月経前症候群(PMS)にあてはまらないかチェックをし、自分でできる範囲の調整を試みることからスタートしてみてください。毎月訪れることだからこそ、月経前症候群(PMS)と上手に付き合っていけるようにしましょう。


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