淋病の知っておきたいこと

なんだか最近下腹部に痛みがある、おりものの量もなんだか多いし異臭がする、おりものの色が黄色っぽくなってきた、そんな症状が確認されたら、淋病の可能性を疑いましょう。

淋病は性感染症のひとつで、性行為により感染します。男性の場合、排尿時の痛みや、性器から膿がでてくることもあるため、カップルでこのような症状が確認されたら、淋病の可能性は非常に高くなるでしょう。

淋病は放置しておくと悪化し、さまざまな病気を引き起こしたり不妊症に繋がったりする恐れのあるものです。だからこそ、淋病についての正しい知識を身に着け、きちんと治療し予防していくようにしましょう。そこで、淋病に関するさまざまな情報を幅広くご紹介していきたいと思います。

淋病とは

淋病とは

淋病とは、淋菌といわれる菌が性行為などから粘膜に感染し、発症する病気のことを言います。感染率が約30%と非常に高いため、きちんと予防をしていなければ感染してしまう可能性があります。

淋病の感染者は、一時期減少傾向にありましたが、1990年代を境に徐々に増加傾向に転じ、現代では性感染症の中でも非常に感染者の多い病気のひとつとなっています。

淋病が感染する部位は、尿道や口腔内、咽頭、目の粘膜、肛門などがあり、女性の場合子宮頸管、子宮、卵管も含まれます。

淋菌の特徴

淋菌の特徴

淋病はなんと紀元前からある性感染症で、淋菌の増殖スピードが非常に早いという特徴があります。男性の場合、最初は性器に違和感を覚えるくらいですが、そこから数時間で大量の膿・かゆみ・性器の熱っぽさ・頻尿といった症状が一気に現れます。

女性の場合はこれらの症状がなく、どんどん進行していき下腹部痛が酷くなって病院に行き、そこで初めて分かるというケースも少なくありません。このように淋菌は潜伏期間が短く増殖スピードも早いので、経口薬だけでなく早い効果を出す注射で治療する病院もあります。一日受診が遅れれば、その分淋菌はさらに増殖してしまうので、いつもと違うと思った時にすぐに検査してもらうようにしましょう。

淋病の症状について

淋病の症状について

淋病とは、淋菌に感染し発症する病気のことですが、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。まず、男女共通の症状として現れる部位としては、肛門、咽頭、目の粘膜、全身などがあります。

肛門に感染した場合、淋菌性直腸炎を引き起こし、痒みが生じたり、出血が起きたり、排便時に痛みが生じたりします。

また、オーラルセックス(口腔性交)などで咽頭に感染すると、淋菌性咽頭感染を引き起こし、のどの痛みが生じたり、赤く腫れて発熱したりすることがあります。男女問わず性器淋菌感染者のうち、約30%に咽頭から淋菌が検出されるため、淋病を発症している場合は性器だけでなく咽頭も感染している可能性が高いと言えるでしょう。

また、目の粘膜に淋菌が感染すると、淋菌性結膜炎を引き起こすことがあります。感染後12時間~48時間で発症すると言われており、合併症を引き起こすと角膜の潰瘍、膿瘍、穿孔、全眼球炎、失明になるおそれがあります。

母子感染で新生児に起こりやすいと言われており成人はかかりにくいとされていますが、成人の場合、重症の化膿性結膜炎となることもあります。

そして、全身性の症状も引き起こされます。淋菌が全身に広がることで、播種性淋菌感染症が発症し、関節炎、軽度の発熱、倦怠、移動性多発関節痛、膿疱性皮膚病変などの症状が現れます。稀なケースでは、心膜炎、心内膜炎、髄膜炎、肝周囲炎に発展する恐れもあるので注意が必要です。

女性の身体に現れる淋病の症状

女性の身体に現れる淋病の症状

淋菌に感染し、淋病を発症すると女性の身体にはどのような症状が現れるのでしょうか。女性の場合、膣から子宮にかけて炎症が起きやすくなるのが特徴です。

子宮頸管に炎症が起きることから、淋菌性子宮頸管炎を発症し、おりものの増加、おりものが黄色く変色する、悪臭がする、膿状のおりものが出てくるなどの症状が現れるようになります。また、女性の場合性器と肛門が近いため、感染がバルトリン腺や直腸へと広がることもあります。

ただ、これらの症状はごくわずかにしか現れないことも多く、多くの女性に淋病の自覚症状は現れないと言われています。

8割近い数の女性に自覚症状が現れないため、気づかないうちに症状が進行してしまうこともあるので注意が必要です。

男性の身体に現れる淋病の症状

男性の身体に現れる淋病の症状

淋菌に感染し、淋病を発症すると、男性の身体にはどのような症状が現れるのでしょうか。男性の場合は、尿道に淋菌が感染することが多いため、排尿時に痛みが生じることがあります。

淋菌性尿道炎と言い、淋菌に感染から2日~7日の潜伏期間を経てから発症します。排尿時に痛みが生じたり、尿道口に発赤が見られたり、濃い黄白色の膿が大量に出てくることもあります。また、淋菌性尿道炎が放置され進行していくと、尿道を経由して淋菌精巣上体炎を引き起こすことがあります。

ただ、女性と同じように淋菌に感染し淋病を発症していても自覚症状が現れないこともあるので注意が必要です。

症状が悪化すると

症状が悪化すると

淋病の症状は、見過ごしてしまうことも多く気づかないまま進行してしまうこともあります。そのため、淋病と気づいた時にはかなり進行していることがあるので注意が必要です。淋病の感染に気付かず放置しておくと、体内に淋菌の感染が拡大し、子宮外妊娠や不妊の原因となります。

女性の場合、淋菌の感染が進行し拡大していくと、骨盤内炎症性疾患を引き起こすことがあります。骨盤内炎症性疾患では、卵管炎、卵巣炎などが起き、多くの人に発熱や急性腹症が生じるようになります。

男性の場合、淋菌性尿道炎が治療されないことで淋菌の感染が広がり、精巣上体炎を引き起こすことがあります。淋菌性精巣上体炎は、初めは片側だけですが、治療せずに淋病が進行すると両側となり治療したとしても無精子症を生じ不妊の原因になることがあります。

また、妊娠中に淋病に感染すると、出産時に赤ちゃんへと感染してしまう恐れがあるので注意が必要です。赤ちゃんに感染する場合、両眼に淋菌が感染する可能性が高いため、早めに適切な治療や処置を行わなければ赤ちゃんが失明してしまう恐れもあります。そのため、妊娠中は淋病の感染に特に気をつけるようにしましょう。

感染経路について

感染経路について

淋菌に感染し淋病を発症すると、さまざまな病気を引き起こしたり不妊の原因となったりすることがあります。では、淋病はどのようにして感染してしまうものなのでしょうか。

淋病が感染する経路としては、性行為、キス、オーラルセックス(口腔性交)が最も感染力が高いとされています。また、淋病の感染率は高いため、タオルや衣類からも感染する可能性があるので注意が必要です。ただ、淋菌は粘膜から離れると急速に弱るため、一定時間が経過したタオルや衣服なら感染力は低いと言われています。

女性の場合、淋病の症状は現れずに過ごしてしまうことがほとんどですが、男性もすぐに淋病の症状が現れるというわけではありません。淋菌に感染しても、淋病の症状が現れるのには感染から2日~5日かかることもあります。

人によっては、淋病の症状が現れるのが30日後になることもあるため、感染に気付かないまま性行為を繰り返し、感染を拡大してしまうこともあるでしょう。

淋病の検査について

淋病の検査について

淋病は自覚症状が現れないことも多いため、感染しているかどうか判断しにくい部分があります。特に女性は無自覚である割合が多いため、知らない間に感染を広げている可能性もあるので注意が必要です。

淋病は、進行するとさまざまな病気を引き起こしたり不妊の原因となったりするため、感染しているかどうかを確認しておくことが重要になります。

淋病の検査では、粘膜や尿を採取して判断します。どこから淋菌の反応が出るかによって、咽頭感染なのか、尿道感染なのか、子宮頸管の感染なのかが判明してくるでしょう。

淋病の治療について

淋病の治療について

淋病の検査をし、陽性反応が出たとしたらどのような治療を行っていくのでしょうか。淋病の治療では、淋菌をやっつける抗生物質を内服したり、注射薬を投与したりすることで対処していきます。治療の期間目安としては数日~2週間程度となっています。

ペニシリン系の抗生剤なら、服用期間は7日~10日間になりますし、スペクチノマイシン系やセフェム系の抗生剤なら点滴で投与していきます。アジスロマイシンという抗生剤は、様子を見ながら内服していきます。

ただ、淋病の原因となっている淋菌は耐性を持つことができるため、耐性菌の増加により薬の効果が十分に得られないこともあります。

そのため、1ヶ月近く治療を続けて症状が出なくなっていたとしても、まだ淋菌が残っていることがあるので油断は禁物です。基本的に、淋病の症状が出なくなったとしても、副作用が辛くない限り医師から処方された抗生物質は全て服用するようにしてください。

飲み忘れをしたり、自己判断で服用を止めたりしてしまうと、淋菌が復活して再び症状に苦しめられる結果となります。また抗生物質に対して耐性を持ち、服用を再開しても充分に効果が得られなくなることもあるので、必ず服用しきるようにしましょう。

耐性菌がうまれる理由

耐性菌がうまれる理由

淋病の原因となっている淋菌は、耐性を作るのが上手く、途中で抗生物質の服用をストップしてしまうと、次は効果が無くなってしまうことがあります。淋菌に耐性がうまれやすいのは、元々口腔内に淋菌の仲間がいるからです。

口腔内にいる淋菌の仲間は「ナイセリア」と言い、毒性がないものなので、淋病を発症することはありません。ただ、風邪やインフルエンザなどを引いたときに処方される抗生物質に触れる機会が多いため、知らないうちに抗生物質に対する耐性を身に着けてしまいます。

そのような状態でオーラルセックス(口腔性交)などにより口腔内に淋菌が侵入した場合、淋菌の仲間であるナイセリアは抗生物質の耐性方法を淋菌に伝授してしまうため、淋菌の抗生物質が効かなくなってしまうのです。

このようなことから、淋菌に感染した部位が咽頭や口腔内の場合、完治に時間がかかりやすくなると言われています。

再検査について

淋病の検査をし、陽性反応がでて治療したとしても100%感知できるというわけではありません。淋病の症状が現れていなかったとしても、淋菌が体内に残されている可能性もありますから、再検査をしてチェックしておく必要があります。

淋菌の再検査は、完治確認検査と言われ、治療が終わって1週間経過してから受けます。1週間時間を置くのは、完治確認検査の精度は非常に高いため死滅した淋菌を検出してしまう恐れがあるからです。完治確認検査をクリアできれば、性行為も再開して大丈夫でしょう。

併発する病気について

併発する病気について

淋病になると、治療に時間がかかり治りにくいため大変です。ただ、心配はそれだけではありません。実は、淋病を発症するとその他の病気も同時に発生している可能性があるからです。

淋病に感染した患者の多くが、クラミジアやHIV(エイズ)を発症しています。どちらも感染力の強い性感染症のひとつですので注意が必要です。

淋病にかかり、粘膜がデリケートな状態になっていることと、免疫力が下がっていることから感染が二重になると考えられています。

最初の検査では淋病しか検出されなかった場合でも、適切に治療をしない間に性交を繰り返せば、クラミジアやHIV(エイズ)に感染する恐れがあるので、完治するまでは性交を決して行わないようにしましょう。

予防方法について

予防方法について

淋病に感染しないためには、粘膜に触れないことが重要になります。性行為は、淋病の感染経路として最も多いため、必ずコンドームを着用するようにしましょう。コンドームは避妊具と言うよりは性感染症予防のためにつけると意識すべきです。

淋病のほか、クラミジアやHIV(エイズ)の感染も予防してくれるので、相手と自分が性感染症を持っていないと判明するまでは、コンドームの着用は義務付けるようにしてください。

また、淋病をはじめとした性感染症は、個人だけで受けてもパートナーが感染していれば将来うつされる危険性があります。できれば、パートナーと一緒に検査を受けるのが理想的です。

最近は、自宅に郵送してくれる検査キットも開発されているので、周囲の目を気にせず検査することができるようになっています。注文さえしておけば、自宅にパートナーが来たときに薦めやすくなるので一石二鳥といえます。

まとめ

淋病について詳しい情報を幅広くご紹介しました。淋病の症状は、男性に現れやすいですが女性は自覚症状がないことが多いため注意が必要です。

症状が進行すると他の病気を引き起こす可能性がありますし、不妊の原因となることもあるので早期発見と早期治療が重要になります。

淋病を引き起こす淋菌は、耐性を作りやすいため抗生物質が効きづらく治療が長引くこともありますが、医師の指示に従い根気よく治療を続けていくようにしましょう。

また、パートナーと話し合い淋病かどうかをチェックすることでより安心して性行為を楽しむことができます。不安にならないためにも、淋病についてもう一度考えてみてくださいね。