
妊娠を望む方にとって、どうしたら妊娠できるか知ることは非常に大切なことです。妊娠できるようにさまざまなことを見直すことも大切ですが、最も重要なのが排卵日を意識することです。
排卵日を意識してタイミングをはかることで、より高い確率で妊娠することが可能になります。ただ、排卵日を特定するのは難しいためなかなか思うように把握できない部分があります。
しかし、それを解決してくれるのが「排卵検査薬」の存在です。妊娠を望む方にとっては必須アイテムとなりつつある排卵検査薬ですが、具体的な使用方法やタイミングの取り方を間違えると、思うような結果はでてきません。
妊娠の確率を上げるためにも排卵検査薬について詳しくご紹介していきますので、正しく使えるようにしていきましょう!
排卵検査薬とは
排卵検査薬とは、専用の検査薬に尿をかけることで陽性か陰性か反応を確認し、排卵日がいつごろになるのか特定するものです。
排卵検査薬に尿をかけ、「ヒト黄体形成ホルモン(LH)」が含まれていれば、陽性反応を示します。ヒト黄体形成ホルモン(LH)とは、排卵前に上昇する黄体刺激ホルモンのことで、排卵する前に一時的に急増します。
排卵の直前にヒト黄体形成ホルモン(LH)が急上昇することを、「LHサージ」と言いますが、排卵検査薬が陽性反応を示し始めたら、24時間~36時間以内に排卵が起きるということです。
排卵検査薬が陽性反応を示し始めたときに、タイミングを測ることで妊娠できる確率をより上げることができます。
排卵検査薬の購入方法は?
排卵検査薬は、どこで手に入れることができるのでしょうか。以前はドラックストアなどで気軽に購入することができましたが、2009年に薬事法が改正されたことから、調剤薬局や調剤可能なドラックストアでの取り扱いに限定されるようになりました。
そのため、排卵検査薬を購入するためには薬剤師に排卵検査薬を購入する意志を伝え、氏名などプライベートな情報を記入する必要があります。
排卵検査薬を購入するということは非常にデリケートなことで、なかなか妊娠できないと悩み、排卵検査薬を求める方も多いはずです。それなのに薬剤師が男性しかいなければ、排卵検査薬の購入を言いだしにくくなってしまうでしょう。
このようなことから、排卵検査薬はネットで購入することが主流になりつつあります。輸入代行のしくみでネットで購入すれば、人と対面する必要もありませんしプライバシーを守ることもできます。また、追加注文も行いやすいのでネットで排卵検査薬を見比べ、気に入ったものを選ぶと良いでしょう。輸入代行のしくみを利用した購入方法なのでルール違反ではありません。
排卵検査薬の使用方法は?
排卵検査薬を購入したら、説明書をよく読んで指示に従い使用するようにしてください。気になるのが排卵検査薬を使用し始めるタイミングですが、いつから始めればいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。排卵検査薬を使い始める日は、生理周期と照らし合わせるのが良いでしょう。
生理周期は、生理が始まった日を「生理開始日1日目」として数え、次の生理が始まる前日までの日数のことで、平均的には25日~38日周期で巡ります。
排卵周期が安定していないという方は、産婦人科に相談し排卵検査薬を開始する日を計算してもらうのが確実です。生理周期が安定しているという方は、排卵検査薬開始日が設定しやすくなります。
生理開始日1日目から数えて、何日目に排卵検査薬を試すと効率が良いのか具体的にご紹介しておきましょう。
生理周期と排卵検査薬開始日
排卵検査薬を使い始める日は、生理周期と照らし合わせながら決めるのが良いでしょう。具体的な生理周期と排卵検査薬の日数をご紹介しておきたいと思います。
生理周期 | 排卵検査薬開始日 |
21日~22日 | 生理開始日から6日目 |
23日~24日 | 生理開始日から7日目 |
25日 | 生理開始日から8日目 |
26日 | 生理開始日から9日目 |
27日 | 生理開始日から10日目 |
28日 | 生理開始日から11日目 |
29日 | 生理開始日から12日目 |
30日 | 生理開始日から13日目 |
31日 | 生理開始日から14日目 |
32日 | 生理開始日から15日目 |
33日 | 生理開始日から16日目 |
34日 | 生理開始日から17日目 |
35日 | 生理開始日から18日目 |
36日 | 生理開始日から19日目 |
37日 | 生理開始日から20日目 |
38日 | 生理開始日から21日目 |
39日 | 生理開始日から22日目 |
排卵検査薬を使用する期間は?
排卵検査薬を使い始める日は、生理周期と照らし合わせるのがオススメです。では、どれくらいの期間排卵検査薬を使用すればよいのでしょうか。
初めて排卵検査薬を使用する方は、反応の見方に慣れるためにも1ヶ月使い続けた方が良いでしょう。排卵検査薬によって、反応の見やすさは異なりますので、購入前に照らし合わせておくと安心です。
国産の排卵検査薬は精度が高い分価格も高めですが、外国産の排卵検査薬なら価格も安めで気軽にどんどん使えるので、排卵周期を把握するためにどんどん使うのには最適です。
排卵検査薬を使う頻度は?
排卵検査薬は、基本的に1日1回使用して反応を見ます。精度を上げるためにも、毎日同じ時間に検査するのがオススメですが、起床後すぐの測定は避けましょう。
排卵検査薬で測定する2時間前は、水分摂取を控えるとより精度を上げることができます。排卵検査薬に陽性反応が出始めたら、1日2回測定するとより排卵のタイミングを掴むことができます。1日2回測定する場合は、12時間間隔で測定するようにしましょう。
陽性反応が出始めたときは排卵検査薬の判定は薄い状態ですが、ヒト黄体形成ホルモン(LH)が増えていくと徐々に反応が濃くなっていきます。ただ、排卵検査薬により陽性反応が現れる日には違いがありますので注意が必要です。
排卵日の1日前に陽性反応を示す排卵検査薬もあれば、3日前に陽性反応が出るものなどさまざまです。説明書をよく読み、適切なタイミングを取れるようにしましょう。
薄めと濃いめ、反応の違い
排卵検査薬は、尿をかけヒト黄体形成ホルモン(LH)が含まれているかどうかで反応が出ます。排卵検査薬により排卵日から何日前に反応するのか精度に違いがありますので、よく説明書を確認してから使用するようにしましょう。
どの排卵検査薬にも共通していることとしては、陽性反応の現れ方の違いです。黄体形成ホルモン(LH)が分泌され始めた時期は、陽性反応は薄い状態で現れますが、徐々に分泌量が増えピークを迎えると濃い陽性反応を示します。
感覚的に、陽性反応が濃く現れたタイミングがベストのように感じますが、実はそれでは少し遅い場合があります。より妊娠の確率を上げるなら、陽性反応が薄い状態で現れ始めたときにタイミングを取るのが良いでしょう。なぜなら、受精のメカニズムが大きく関係しているからです。
受精のメカニズムについて
排卵検査薬を使用していても、受精のメカニズムを理解していなければうまく使いこなすことはできません。そこで、受精のメカニズムについて簡単にご紹介しておきましょう。
受精は、卵巣から排卵された卵子と精子が卵管で受精し、5日間ほどかけて子宮内膜に移動し着床することを言います。
精子は卵子が排卵された時点で卵管に到達していなければなりませんし、精子が卵子の透明帯を破るのにも時間がかかります。そのため、排卵したその日にタイミングをとっても間に合わない可能性があるので注意が必要です。
排卵検査薬に陽性反応が出始めたということは、排卵が24時間~36時間以内に起きるということですから、薄い陽性反応が出た時点でタイミングを取るのがベストだと言えます。
受精の制限時間について
受精が成立するためには、卵子が排卵された時点で卵管に精子が到達していなければなりません。卵子が受精できる時間には限りがあり、排卵されてから約24時間以内に精子が透明膜を破り卵子の核部分に到達する必要があります。
精子が子宮内部で生存できるのは約3日間と言われていますから、排卵日の2日~3日前にタイミングを取るようにすると妊娠の確率が上がってくるでしょう。
排卵検査薬により、排卵日から何日前に陽性反応が出るかは異なります。タイミングのことを考えれば、排卵日の2日~3日前に陽性反応が出る排卵検査薬を選ぶと良いでしょう。
基礎体温を計るようにし管理しょう
より受精の確率を上げたいと考えるなら、基礎体温の情報も取り入れておくのがオススメです。基礎体温の情報があれば、より詳しく排卵日を予測できたり生理周期を把握しやすくなったりします。
基礎体温は、低温期と高温期があり排卵や生理を境に切り替わります。生理後から排卵までの期間は低温期ですが、排卵されると高温期に切り替わり生理前まで続きます。
排卵検査薬で陽性反応が出たときに、もし高温期に切り替わっているようならすでに排卵が行われた後ということになりますので、受精の確率は大幅に下がってしまいます。
排卵検査薬に陽性反応が出始め、基礎体温もまだ低温期の状態なら排卵される前の状態なので、妊娠の確率を上げることができるでしょう。
正確な基礎体温の測り方は?
受精の確率を上げるために、基礎体温の情報は重要です。ただ、基礎体温は少しの刺激で変動してしまうため精度を上げるためにも正しく計測する必要があります。
基礎体温は身体が最も安定している起床時に計測するようにしましょう。身体を少し動かすだけでも体温が変動してしまいますので、起床したら枕元にスタンバイさせておいた体温計を舌下にはさみ計測していきます。
体温計を舌下に挟むのは、身体の中で体温が最も安定している部分だからです。計測し終わったら、グラフに基礎体温の数値を記入し、グラフの変動を確認しましょう。基本的に、低温期も高温期も同じ日数で巡っていきます。
もし、グラフが二層に明確に別れず基礎体温が変動しやすい状態なら、計測方法に誤りがあるか、ホルモンバランスが乱れているかのどちらかが原因です。ホルモンバランスはちょっとした疲れや風邪でも変わってしまうため、規則正しくストレスをためない生活を心掛けることが大切です。
排卵検査薬に反応が出ない場合
排卵検査薬を使用していても、一向に陽性反応が現れないことがあります。排卵検査薬の精度不良による可能性もあるので、基礎体温をチェックしてみましょう。
基礎体温が低温期と高温期に二層に分かれている状態なら、排卵されている可能性は高いので、排卵検査薬を別のものに変えてみましょう。
基礎体温が変動しやすい方は、ヒト黄体形成ホルモン(LH)が不足して陽性反応が出にくくなっていたり、無排卵となっていたりする可能性があります。
一度病院で診察を受け、無排卵となっていないか確認し、ホルモンバランスを整えてもらうようにしましょう。ちなみに、無排卵でも排卵検査薬が反応することもあります。
より確実に排卵日を特定したい場合は、病院でその旨を伝えるとすぐに計算しタイミングとして適切な日も教えてくれるでしょう。
まとめ
排卵検査薬について詳しくご紹介しました。排卵検査薬を正しく使用することで、妊娠する確率を上げることができます。また、受精のメカニズムについて詳しく知ることで、より効率よく妊娠することができるでしょう。
ただ、排卵検査薬はあくまで簡易的なものですから、確実に排卵日を特定したい場合や、早く妊娠したい方は、病院に相談するようにしてください。排卵検査薬を正しく理解し選ぶことで、妊娠の喜びを1日でも早く味わってください。