避妊方法の種類とその効果など知っておきたいこと

男女が性交する場合、妊娠を望まないのであればきちんと避妊する必要があります。世の中にはさまざまな避妊方法がありますが、効果があるものもあれば噂だけで実際の効果がないものも紛れています。

望まない妊娠をしてしまうと、流産処置をしなければならず女性の身体には大きな負担が生じてしまいます。また、精神的にも辛い思いをする結果になりますので、正しい避妊を心掛けるようにしましょう。

そこで、さまざまな避妊方法について正しい方法や、効果の有無など詳しい情報をご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

さまざまな避妊方法

ひとくちに避妊方法と言っても、その種類はさまざまです。普段から取り組む必要がある避妊方法もあれば、性交の時に行う避妊方法、性交した後に行う避妊方法などその時に適したものを選択することが重要です。

避妊方法についてご説明する前に、簡単に妊娠のメカニズムだけご紹介しておきましょう。

妊娠するメカニズムとは

妊娠するメカニズムとは

避妊方法を実践する前に、まずは妊娠のメカニズムからご紹介しておきましょう。妊娠は、卵子と精子が結びついて受精し、子宮内膜に着床することを言います。

詳しくご紹介すると、卵巣から飛び出した卵子が精子と結びつくと、卵管を通って子宮へと移動し、子宮内膜に着床して定着するということです。

つまり、妊娠する条件としては、卵巣から卵子が排卵されること、排卵されたタイミングで精子が卵子に到達し受精すること、卵管を無事に通過すること、そして子宮内膜が着床できる状態であることが必要になります。

さまざまな避妊方法は、これらの条件を抑制したり物理的にストップしたりすることで効果を発揮しているのです。

コンドームによる避妊

コンドームによる避妊

さまざまな避妊方法がある中で、最も多くの人たちが利用しているのがコンドームではないでしょうか。コンドームは男性の性器にゴムを被せることで、物理的に精子が膣内に射精されることを防ぐ役割があります。

薬局やコンビニで手軽に手に入ることから、手軽な避妊方法として定着していると言えるでしょう。ただ、コンドームの着用方法を間違えていたり、性交中に外れたり破れたりしてしまうと避妊率は一気に下がり妊娠の可能性が上がってしまいます。

また、男性による任意のものであることが多いことから、女性が提案しにくいことも問題視されています。

女性用コンドームによる避妊

女性用コンドーム

一番手軽にできる避妊法がコンドームですが、男性がつけるのを嫌がってしまえば避妊はできず、女性は生理が来るまで不安で過ごさなければなりません。そんな男性主体の避妊に頼るのは嫌な方は、女性用のコンドームを使ってみてはいかがでしょうか。

女性用コンドームは男性用よりも数倍強い素材で出来ていて、性交渉の前に装着します。少々コツが必要なので、性交渉をする前までに何回か練習しておいたほうがスムーズに出来るでしょう。女性用コンドームをつけたら、男性はコンドームをつける必要はありません。膣内部をゴムで覆ってしまうので痛みや引きつれを心配してしまう方もいますが、そういった事はないので安心してください。

膣外射精による避妊

膣外射精による避妊

さまざまな避妊方法がある中で、最も多いのがコンドームですが、着用を嫌がる男性も多く、女性から言いづらい部分があります。その時、妥協案として行われるのが膣外射精による避妊方法です。

膣外射精とは、性器を膣外に出してから射精することで妊娠を防ぐ方法です。膣外に射精すれば、卵子に精子がたどり着くことがないため避妊することができますが、感覚的なものなので100%安全とは言い切れません。

また、射精をがまんしているときに微量の精子が膣内に漏れることもあるため、危険日にそのような行為を行うと妊娠してしまうこともあります。

男性次第で避妊できるかどうかが左右されてしまう行為なので、避妊方法としては適していないと言えるでしょう。

危険日予測による避妊

危険日予測による避妊

さまざまな避妊方法の中で、危険日予測による避妊方法もあります。女性が排卵のタイミングを確認し、その時に性交を行わなかったり、コンドームを使用したりすることで避妊する方法です。

排卵されるタイミングは、基礎体温で知ることができます。基礎体温は、低温期と高温期に分かれていますが、低温期の後半で一段階体温が下がり、その後に高温期に変化していくと排卵されたということになります。

ただ、基礎体温は少しの刺激で乱れたりすることも多いため、体調や気温の影響を受けて正しい予想ができないこともあります。

また、最近はアプリに生理期間を入力すると排卵のタイミングが自動的にわかるものもありますが、正確性に欠けている部分も多いため、あまり信用しすぎない方が良いでしょう。

低用量ピルによる避妊

低用量ピルによる避妊

さまざまな避妊方法の中で、低用量ピルによる避妊方法があります。低用量ピルは、女性ホルモンをコントロールするもので卵巣の機能を休眠させることで排卵しない状態を作り出します。

また、卵巣の機能が休眠することから、受精卵が着床する子宮内膜が着床しにくい状態になるため、万が一受精が成立したとしても着床には至らない可能性が高いでしょう。

低用量ピルの避妊効果を期待するなら、早めに服用をスタートする必要があります。低用量ピルは、21日間服用を続け、7日間休薬期間を設けるという条件があり、それをきちんと達成しなければ避妊の成功率は下がってしまうと言われています。飲み忘れなどで妊娠してしまう可能性もあるので注意するようにしましょう。

低用量ピルなら、女性が主導となって避妊することができるので安心です。ただ、吐き気や倦怠感などの副作用が強く出て辛い思いをする場合もありますので、薬の服用は慎重に見極めるようにしましょう。

ペッサリーによる避妊

ペッサリーは丸いプラスチックやゴムで出来たふたのような物ですが、避妊目的だけでなく治療目的でも使われます。ペッサリーは子宮脱と呼ばれる骨盤内の子宮・直腸・膀胱などが膣から出てきてしまう症状を、膣の下から抑えて下がってこないようにするために使われます。

膣にぴったり蓋をするようにサイズを合わせるので、自分で取り外しできる自己着脱式は避妊方法の一つとしても有効です。ただ、ぴったりのサイズにするまで時間がかかる事と、最初は指導を受ける必要がある事、ペッサリーの表面に殺精子剤を塗る必要があるのが難点かもしれません。、きちんと装着できればコンドームと同様の避妊効果が得られます。

IUS(子宮内システム)による避妊

IUS(子宮内システム)による避妊

IUS(子宮内システム)は、子宮の中に黄体ホルモンを放出する小さな器具を挿入し、避妊する方法のことです。一度IUS(子宮内システム)を挿入すれば、最長で5年間避妊効果が継続されます。

女性が主導となって避妊することができるので安心ですが、IUS(子宮内システム)を挿入して数ヵ月間は不正出血が起きてしまうことがあります。IUS(子宮内システム)に慣れてくれば、徐々に出血量は治まってくるでしょう。

ただ、IUS(子宮内システム)は避妊方法として失敗する少ないとされています。

しかし優れている分、1回の処置に約7万円~8万円と費用が高く、医師による装着や除去の処置が必要になるのでデメリットもあると言えるでしょう。

IUD(子宮内避妊用具)による避妊

IUD(子宮内避妊用具)による避妊

IUD(子宮内避妊用具)は、子宮の中に胴がついた器具を挿入し、避妊する方法です。銅から発せられる銅イオンには避妊効果があり、一度挿入すれば2年~5年、避妊効果が継続されます。

費用は安めになっており、IUD(子宮内避妊用具)の1回の処置は約4万円~5万円となっています。IUD(子宮内避妊用具)も、医師による装着や除去の処置が必要です。

殺精子剤による避妊

殺精子剤による避妊

殺精子剤による避妊方法は、性交前に膣内に殺精子剤を挿入することで、射精された精子を殺すものです。殺精子剤の形状は、錠剤タイプと、ゼリータイプ、フィルムタイプなどがあります。

成分としては界面活性剤が主流で、濃度と量が重要になるため殺精子剤を挿入してから性交するまでの時間により避妊率は変わってきます。殺精子剤は、膣内に挿入すると5分ほどで発砲します。

その後1時間以内であれば精子を殺す作用が継続されるので避妊の確率は保たれるでしょう。殺精子剤は、奥の方に入れて子宮口に近い位置で発砲するのが理想的です。

体位によっては薬剤が流れてしまったりすることもありますし、敏感肌の方は界面活性剤により荒れてしまう可能性もあるので、様子を見ながら使用するようにしましょう。

避妊手術による避妊

避妊手術による避妊

できるだけ確実に避妊したいのであれば、避妊手術を受けるのもひとつの方法です。避妊手術では、女性の場合は卵管をプラスチックの糸で縛ったり切ったりして受精を防ぎます。卵管は、排卵された卵子と精子が出会う重要な場所だからこそ、この部分に処置を施すのです。

お腹を切る手術と、膣から挿入する手術とがありますが、どちらの場合も入院が必要になります。また、男性の場合は精管を縛ったり、切ったりして精子が出てこないように処置を施します。

精管は、精子が作られる精巣と精子を貯めておく精のうとを結ぶ通路のことです。この手術は、精管結紮術、またはパイプカットと呼ばれており日帰りで処置を完了させることができます。

ただ、どちらの避妊手術も一度処置を施してしまうと元に戻すことは難しくなります。

特に女性の場合は難しいので、将来のことを考えると今だけの考えで安易に処置をすべきではないと言えます。費用においては約30万円かかるので、決して安くありませんし身体の負担も大きくなります。避妊手術においては、パートナーや自分自身にも問いかけ浸透に検討するようにしましょう。

間違った避妊方法について

間違った避妊方法について

避妊方法にはご紹介した以上のものがありますが、世の中には誤解されている避妊方法もたくさんあります。間違った避妊方法を行わないためにも、どんなものに効果がないのかご紹介しておきましょう。

まず、性交の後に膣内洗浄する避妊方法です。1回の射精には約3億もの精子が含まれており、数分で子宮に到達してしまうため、性交後にすぐ膣内洗浄したとしても避妊効果は期待できません。ハッキリ言って気休めの避妊方法だと言えるでしょう。

ただ、性交後に膣内を洗浄することは悪いことではありません。性交により細菌などに感染してしまうこともあるため、清潔にするという意味では膣内洗浄は性交の度に行った方が安心でしょう。

また、避妊方法として不安定で避妊の確率が低いという点では、ご紹介した膣外射精や危険日予測も、気休めの避妊方法だと言えます。

もし避妊に失敗したら

もし避妊に失敗したら

避妊方法を実践していても、わずかな油断や事故から失敗してしまうこともあります。妊娠してしまうと困るという場合は、性交後でも対処は可能です。

性交後に避妊する方法として、モーニングアフターピルという選択肢があります。アフターピルとも呼ばれていますが、強いピルを飲むことで妊娠を妨げる作用があり、緊急用のピルとして活用されています。

モーニングアフターピルの避妊効果を最大限にするためには、早めに服用することが重要になります。避妊率を上げるなら、性交から72時間以内に服用するようにしましょう。

モーニングアフターピルは強い薬なので、副作用が心配だという方も多いですが、近年使用されているものは副作用も軽減され飲みやすくなっているので、望まない妊娠を避けるためにすぐに処置するようにしましょう。モーニングアフターピルは、産婦人科で処方してもらうことができます。

中絶について

さまざまな避妊方法を実践していても、わずかな確率で妊娠してしまうことはあります。もし、避妊の失敗に気づいていればすぐにモーニングアフターピルで対処することができますが、避妊の失敗に気づかず妊娠してしまうこともあります。

望まない妊娠である場合は、中絶する必要が出てきますが、中絶はいつまでに行うものなのでしょうか。中絶できる期間は「母体保護法」により定められており、人工妊娠中絶手術が行えるのは妊娠22週未満となっています。

妊娠の事実に気づくのが遅く、誰にも相談できないままその時期を過ぎてしまうと中絶できなくなってしまいますので注意しましょう。妊娠は、前回の生理日を0日と計算するため、次に来る生理予定日を過ぎたころは妊娠4週目となっています。

安全かつ確実に中絶手術が行えるのは、妊娠6週から12週未満なので、できるだけ早い段階で中絶するかどうかを決断する必要が出てくるでしょう。

妊娠12週を超えると、人工的に陣痛を起こして分娩と同じように中絶する必要が出てくるため、身体にも精神的にも大きな負担が強いられることになります。また、中絶手術により次の妊娠が成立しづらくなるリスクもあるため、安易に中絶を繰り返さないことも重要です。

まとめ

さまざまな避妊方法について詳しくご紹介しました。大丈夫だと思っていた避妊方法に意外な落とし穴があったり、確実性の高い避妊方法を知ったりすることができたのではないでしょうか。

避妊方法を誤ると、望まない妊娠をし中絶することになります。中絶を行うと妊娠しづらい身体になるだけでなく、身体も心も傷ついてしまいます。

そのようなことを避けるためにも、さまざまな避妊方法をよく検討し、確実性の高いものを正確に実行できるようにしましょう。