生理前になるとなぜか情緒が不安定になり、憂鬱な気分に襲われてしまう。女性なら誰でも身に覚えのある経験ではないでしょうか。生理前の情緒不安定の正式名称は、「月経前症候群」(PMS)。月経前症候群の症状のうち、とくに精神的な症状が強く表れるものを「月経前不快気分障害」(PMDD)と呼んでいます。

とくにこれといった理由はないはずなのに、なぜか急に憂鬱な気分になったり、些細なことでイライラしたり、はたまた理由のない不安や焦りを感じてしまう。月経前はとかく気分の浮き沈みが激しく、自分でもその気持ちを持て余してしまう女性のが現実。単なる生理前のイライラで片付けてしまい、症状が悪化するのを放置すると、日常生活を送る上で甚だしく支障を来す場合があります。

生理の前に起こる情緒不安定(月経前不快気分障害)について知っておかなければならない知識をまとめてみました。自分ではコントロールすることの難しい生理前の気分の落ち込みやイライラ、その原因と対処法を知ることにより、辛い症状を軽減することが可能になります!

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生理前に情緒不安定になる原因とは?

生理前に情緒不安定になる原因とは?

生理前に理由なく情緒不安定になる原因に関しては、いまだ確定的なことははっきりしていません。一つ言えるのは、女性ホルモンの分泌となんらかの関連があるということ。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌量は、排卵日を境に増減します。このホルモンの分泌量の変化に、体調不良、ストレス、疲労が重なると、生理前の情緒不安定となってあらわれる。これが生理前の情緒不安定の原因の有力な説です。

卵胞ホルモンと黄体ホルモン変化

卵胞ホルモンと黄体ホルモン変化

生理周期が28日間の方の場合、生理のはじまる約2週間前に排卵日を迎えます。排卵日以降は黄体期と呼ばれる期間になり、この時期黄体ホルモンの分泌が増加します。またもう一つの女性ホルモンである卵胞ホルモンの分泌量は、排卵日以降に分泌が急降下し、そして再び分泌が増えるという波線を描きます。

黄体ホルモンと卵胞ホルモンの二つは女性の生理機能を司る重要なホルモン。この二つのホルモンの分泌量が変化することにより、体にさまざまな症状が表れると考えられています。

排卵日前後は体調管理を十分に行う

排卵日前後は体調管理を十分に行う

排卵日前後にピークを迎える黄体ホルモンと卵胞ホルモンの分泌量の変化。体調が優れなかったり、睡眠時間が短かったり、食事が不規則だったりすると、生理前の情緒不安定の症状はさらにひどくなるといわれています。ストレスや心配事などを抱えていると、気分の落ち込みや不安感に拍車をかけます。

生理前の憂鬱な気分や落ち込みを避けたければ、排卵日前後はとくに体調や精神状態に気を使うようにしましょう。免疫機能を低下させるようなことは一切慎むように努力してください。

生理前の情緒不安定のさまざまな症状

生理前の情緒不安定のさまざまな症状

生理前の情緒不安定は人によりさまざまな症状として表れます。また同じ人でも、月によって症状の出方や程度にに差があり、外出できないほど重度の症状が出るときもあれば、比較的軽く済むときもあります。

また月経前症候群の場合、精神的な症状だけでなく、頭痛やだるさ、体のむくみやほてり、便秘、下痢、異常な眠気または不眠、おなかの張り、胸のはりなどの身体的な症状も表れます。ここでは精神的な症状について詳しく見ていきましょう。

憂鬱な気分に襲われる

憂鬱な気分に襲われる

憂鬱になる理由など何一つないにも関わらず、憂鬱極まりない気分に襲われ、無気力になることがあります。何を見ても興味が沸かず、普段なら楽しいと感じることにさえイライラしてしまう始末。

やる気が起こらず、倦怠感を強く感じます。何もしたくないという生理前の典型的な症状に見舞われ、仕事も家事もさぼりがち。話かけられても答えたくないという無気力な気分になります。

不安感・焦燥感を感じる

不安感・焦燥感を感じる

不安な気持ちや焦りを感じてしまい、何事も手につかなくなります。何をしていても不安な気持ちに襲われ、自分のことが情けなく感じられ、ちょっとしたことで涙が出てくることもあります。正体不明の不安感ですので、具体的な問題があるわけではなく、生理がはじまってしばらくすると、不安感はすんなり解消されます。

怒りっぽくなり、集中力がなくなる

怒りっぽくなり、集中力がなくなる

イライラと怒りっぽくなり、集中力が持続しません。周囲の人に対して理由なく怒りを覚え、八つ当たりしてしまうこともあります。普段であれば気にならないことにも激昂してしまい、強い口調で他人に接してしまうため、周囲の人に嫌な思いをさせてしまいます。

自虐的・暴力的な気分になる

自虐的・暴力的な気分になる

月経前不快気分障害の最たるものがこの症状。症状が悪化すると、自虐的な行為に出たり、周囲の人に対して暴力的な振る舞いをしてしまう恐れもあります。

自傷行為により、自分自身の体に害を及ぼすこともあるため、この段階まで症状が悪化している方は、必ず専門医の診察を受け治療に専念しなければなりません。

月経前症候群にかかりやすい人とは?

月経前症候群にかかりやすい人とは?

統計的にいうと、二十歳以上の女性のうちなんらかの形で月経前症候群の症状がある方は。全体の約9割弱に及ぶといわれています。つまり、ほとんどの女性がなんらかの形で生理前の不快な症状に見舞われていることになります。

症状の程度に関しては個人差があり一概にはいえませんが、性格的に細かいことが気になる方や何事もきちんとしていないと気が済まない方のほうが、そうでない方に比べると症状が重くなる傾向にあります。

年齢別に見る生理前症候群

生理前の精神的な症状がもっとも顕著に表れるのが30代の女性。一般的にいって20代の女性の場合は、精神的な症状よりも身体的な症状のほうが出やすいのですが、30代になるとこれが逆転し、精神的な症状がひどくなる傾向にあります。

妊娠・出産の経験がある方もまた、生理前の情緒不安定の症状が出やすくなります。つまりまとめると、30代の経産婦さんが生理前の不快な症状にもっともかかりやすいということになります。

月経前症候群と月経前不快気分障害の違い

月経前症候群と月経前不快気分障害の違い

ここで月経前症候群と月経前不快気分障害の違いについて把握しておきましょう。月経前症候群は生理前症候群とも呼ばれていますが、これは身体的な症状と精神的な症状の両方を指します。

生理が始まる2週間前、つまり排卵日前後から生理初日から数日以内までの期間限定で起こる症状で、この期間を過ぎてしまうと症状はぴたりと止まってしまいます。

月経前不快気分障害とは?

月経前不快気分障害とは?

月経前不快気分障害は、月経前症候群のうち身体的な症状よりも、精神的な症状が重く深刻なケースを指します。気持ちの落ち込みや焦燥感、不安感が尋常でなく、あたかも人が変わったかのような様相を示す場合もあります。

このような情緒障害は悪化すると、日常生活にも支障を来すことがあります。精神的な落ち込みや不安感をどうしても拭い切れない場合は、早めに婦人科で診察を受けるようにしましょう。

生理前の情緒不安定は予防できる?

残念ながら生理前の情緒不安定を予防することは、ほとんど無理といえるでしょう。女性ならではの生理機能を司るホルモン分泌に関わることですので、これを自分自身の意思でコントロールすることは土台無理な相談。

精神的な症状を完全に予防することは出来ませんが、それでも排卵日前後は自分の体と心の状態に十分気を配るようにしましょう。出来るだけリラックスして過ごし、体に無理な負担をかけないようにしましょう。さらに家事や仕事に関しても、必要以上のものは引き受けないようにすると多少なりとも楽に過ごせるようになります。

生理前に情緒不安定になったときの対処法

生理前に情緒不安定になったときの対処法

女性である以上避けて通ることの出来ない生理前の不快な症状。だからといって何もしないでいると、症状の緩和は見込めません。生理前の気分の落ち込みやイライラを緩和する方法について知り、辛い時期を出来るだけ楽に過ごすよう努めましょう。

食事内容に配慮する

食事内容に配慮する

排卵日前後は食事の内容にも注意しましょう。まず第一に注意したいのは、甘すぎるものや刺激物、カフェインなど。このような食材は出来るだけ控えましょう。また血糖値が急激に上昇しないように注意すること、濃い味付けのものや塩分の多いものは控え、出来るだけヘルシーな食事メニューを心がけましょう。

この時期にぜひ摂りたい栄養素はビタミンB群やビタミンE、カルシウムやマグネシウムなど、また豆乳などに代表される大豆イソフラボンもお勧めです。

適度な運動で気分の落ち込みを緩和する

イライラや不安感、憂鬱な気持ちに浸りきっていても、症状は緩和されません。何もしたくない気分のときでも、出来るだけ体を動かすようにすると、自律神経のバランスも整えられ、体調不良も改善されます。

体を動かすことにより、代謝機能も促進され、これによりだるさや倦怠感もうまく緩和されることがあります。

生理前にお勧めの運動

生理前にお勧めの運動

気持ちが落ち込んでいるときにじっとしていると、体調も精神状態も悪化するばかり。体力を消耗するような激しい運動ではなく、軽いストレッチや体操、ヨガなどが最適ですが、戸外にでて散歩をするだけでも効果があります。

とても運動なんてする気になれない、というのはもっともな話ですが、ただ座って最悪の気分が去るのを待っていても仕方ありません。気分転換を兼ねた運動で頭を空っぽにし、少しでも症状が緩和されることを期待しましょう。

体を絶対に冷やさないようにする

体を絶対に冷やさないようにする

女性にとって体、とくに子宮を冷やすのは絶対に禁物です。冷え性になると生理痛がひどくなるといわれていますが、生理前症候群にしても同じこと。おなかや足は絶対に冷やさないようにしましょう。

体を温めることは生理前症候群の緩和につながります。入浴はシャワーではなく浴槽にゆっくり浸かるようにし、腰やおなかに冷えを感じる場合には十分に温めるようにしましょう。時間に余裕がある方には足湯がお勧めです。

ハーブを利用したアロマテラピー

ハーブには精神状態をリラックスさせる効果があります。ラベンダーやカモミールなど、お好みのハープオイルを利用してハーブバスを楽しむのも一興。ハーブの爽やかな香りと温かなお湯で、体も心もゆったりと落ち着きます。

症状がひどいときには婦人科で診察を受ける

症状がひどいときには婦人科で診察を受ける

生理前の不快な症状を改善するためにさまざまな工夫を凝らしても、一向に症状が改善されない場合には、産婦人科で診察を受けるようにしましょう。

生理前のイライラや落ち込みは女性にとってある意味当たり前。きわめてありふれたことだけに、症状の悪化に気がつくのに遅れることも多く、そうなると単なるイライラや気分の落ち込みでは済まない深刻な状況に陥ってしまいます。症状があまりにもひどく、日常生活を送る上で支障を来すまでになったら、躊躇わずに婦人科で診断を受けるようにしてください。

月経前症候群及び月経前不快気分障害の治療法

月経前症候群の治療として用いられている薬はさまざまで、漢方薬から低用量ピル、そして最近では市販薬も手に入るようになりました。身体的な症状の緩和に関しては、それぞれの症状に応じて適切な薬を選んでいくことになります。

精神的な症状の改善のために精神安定剤が用いられることもありますが、これはあくまでも治療の一環として医師の判断により行われるもので、自己判断で勝手に精神安定剤を服用することは絶対に勧められませんので、情緒不安定の治療を希望する方は必ず専門医によく相談するようにしましょう。

まとめ

生理前に必ず起こる不快な症状。生理が始まる2週間前から、生理開始二日目の間に表れる「月経前症候群」。この時期を迎えると、ほとんどの女性は、イライラや憂鬱な気持ち、理不尽な怒りや不安感など、自分の意思ではコントロールできないほどの感情の波に支配されてしまいます。

生理前の情緒不安定はそのまま放置しておくとさらに悪化してしまい、症状のひどい人になると周囲の人に対して攻撃的になったり、自傷行為に及んだりすることもあります。

生理前の情緒不安定を少しでも緩和するためには、食事や生活習慣に気を配り、体調を万全にしておかなければなりません。生理前症候群とうまく付き合っていくには、どうしたら不快な症状を緩和することができるか十分に把握した上で、適切な対処法を取ることが大切です。まずは自分の生理周期を確認し、排卵日が近くなったら決して無理をしないよう、出来るだけリラックスして過ごすようにしましょう!

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