カンジタ膣炎の知っておきたいこと

おまたがかゆいどうしよう?もし、陰部にかゆみがあり、おりもののニオイが強いように感じたり、白いカスがボロボロと出てきたりするようなら、カンジタ膣炎(膣カンジダ症)に感染している可能性があるでしょう。女性にとって陰部の変化やおりものの変化は健康を知る上で非常に重要なものです。

カンジタ膣炎は女性を中心に感染することが多い病気なので、病名を耳にすることが多く、何となくその存在を知っているという方もいるのではないでしょうか。

ただ、カンジタ膣炎がどんな病気でどんな治療や対策が必要なのか、よく知る人は少ないと言われています。そのため、曖昧な知識のまま放置してしまったり予防策を行わなかったりすることがあるので注意が必要となります。

カンジタ膣炎とはどのような病気なのか、そしてどんな治療法や予防策があるのか、詳しくご紹介していきますので是非参考にしていただければと思います。

カンジタとは?

カンジタとは?

カンジタとは、カンジタという真菌(カビ)が何らかの原因で増殖することから引き起こされる感染症のことを言います。性器カンジタ症と言われたり、膣カンジタ症、カンジタ膣炎とも言われたりすることがあるでしょう。感染者には女性が多いことで知られており、女性の膣や外陰部に感染して症状を引き起こします。

カンジタは性器に発生することから性交渉で感染すると断定しがちですが、実は性行為を経験していない人でも発症することがあります。なぜなら、カンジタはもともと身体の皮膚に存在する常在菌だからです。健康な人であっても、皮膚や口腔内、消化管、腟周辺に存在します。

カンジタ膣炎を発症するきっかけについて

カンジタ膣炎を発症するきっかけについて

カンジタを引き起こすのは、カンジタという真菌(カビ)が何らかの原因で増殖するからです。カンジタ真菌はもともと皮膚に存在する常在菌のため、健康な人の身体にもあります。

普段は免疫力の力によりカンジタ真菌の増殖を防いでいるため、カンジタを発症することがありません。

しかし、体調を崩していたり、ストレスを溜め込んでいたり、身体に疲労が蓄積したりしていると免疫力が下がってしまいカンジタ真菌が繁殖しやすい状態となっています。そのため、人によってカンジタを発症する人と発症しない人の違いが出てくるのです。

女性に感染者が多い理由

女性に感染者が多い理由

カンジタを発症するのは、男性よりも女性の方が圧倒的に多いと言われています。カンジタ菌に感染する女性は、約20%にも上ります。人数に換算すれば、5人に1人の割合で、10代でも50代でも割合はほとんど変わりません。

男性よりも女性の方がカンジタの発症率が高いのは、性器の構造に違いがあることが考えられます。男性の性器は身体の外側にあるため、女性の性器に比べると通気性が良い状態になります。

通気性が良いと、カンジタ菌が侵入しても増殖しにくいため発症する確率が低くなるのです。ただ、男性であっても性器が包茎の人は、やや通気性が悪いためカンジタ菌を発症する確率は上がる傾向にあります。

一方、女性の性器は身体の内側に近い部分にあるため、通気性が悪く湿度が高い状態にあります。カンジタ菌は真菌(カビ)なので、湿度の多い場所を好み、そこで増殖します。このことから、男性よりも女性の方がカンジタを発症しやすい条件となっているのです。

カンジタ膣炎の症状

カンジタを発症すると、身体にはどのような症状が現れるのでしょうか。主に現れるのは、膣、陰部周辺の痒みと、おりものが白いカスが混じったようになるのが大きな特徴です。

おりものは、透明か白っぽい状態をしていますが、カンジタを発症していると白いカスが混じるようになります。白いカスは、酒粕やカッテージチーズ、ヨーグルトのカス、お粥、豆腐くずに例えられます。また、膣周辺がヒリヒリとした痛みが出たり、熱いと感じたりすることがあります。

人によっては、腟の外陰部に発疹が現れたり、赤みが出たりすることもあるでしょう。カンジタを発症してかゆみが生じてかきむしってしまうと、排尿時に痛みが生じたり、性行為をするときに痛みが生じたりすることがあります。

カンジタの様々な体への影響は?

カンジタの様々な体への影響は?

カンジダはありふれた病気ですし自然治癒する事も多いので、あまり深刻に考えていない方が大多数なのではないでしょうか。しかし、カンジダを放置すると全身に悪影響が及ぶ事があります。

免疫力が大きく低下している状態だと、腸に存在するカンジダ菌や、性交で口腔内に感染したカンジダ菌が血流に乗って全身を巡りますが、増殖したカンジダ菌から発生したアンモニア等の毒素が、皮膚アレルギーや慢性疲労・集中力の低下・食欲不振・情緒不安定などのアレルギー症状を引き起こします。

更に進行すれば視力障害など重篤な障害を引き起こす事もあるので、性器に異常を感じた時は、なるべく早く病院で検査してもらいましょう。

カンジタ膣炎を引き起こす原因

カンジタ膣炎を引き起こす原因

カンジタは皮膚に常在しているカンジタ菌が繁殖することから引き起こされる病気です。では、カンジタ菌を繁殖させる原因にはどんなことがあるのでしょうか。

免疫力が下がるとカンジタ菌の繁殖を抑えきれない事はご紹介しましたが、その他にもさまざまな増殖のきっかけがあります。

カンジタ膣炎を発症しやすい時期として多く取り上げられるのが、生理の前後です。生理の前後はホルモンバランスが大きく変わる時期なので、身体の不調も現れやすくなります。

特に生理前は身体が非常にデリケートな状態になっていますし、精神的にもイライラして生理前症候群を引き起こしていることが多いので、カンジタ菌が繁殖しやすい条件がそろっています。

また、生理の経血により膣周辺が湿った状態が続くことも、カンジタ菌の増殖させやすい条件のひとつとなるでしょう。このことから、生理前後は身体を労わり清潔な状態を心掛けることが重要になります。

妊娠中や治療中に増殖するカンジタ膣炎

妊娠中や治療中に増殖するカンジタ膣炎

カンジタが発症するのは、常在菌であるカンジタ菌が増殖することが原因です。生理前後はカンジタ菌が増殖しやすい時期ですが、妊娠中や治療中も注意が必要です。

妊娠中は、ホルモンバランスが今までとは異なりますし、妊婦の身体は免疫力が下がりやすいため、カンジタ菌が増殖しやすくなります。また、生理周期を整えたり、生理痛を緩和させたりするために低用量ピルを服用していると、女性ホルモンのバランスが変わり、膣周辺が乾燥した状態となって雑菌が膣内に侵入し、繁殖しやすくなってしまいます。

さらに、病気などで抗生物質などを服用していると、身体に存在している善玉菌が減少したりバランスが崩れたりして、カンジタ菌が増殖しやすくなることがあります。糖尿病や、ステロイド治療を行っている人も、カンジタを発症しやすいというデータも報告されています。

このように妊娠や治療中は、身体がデリケートな状態になっているため、カンジタ菌が増殖しやすい条件になりやすいので注意するようにしましょう。

性行為によるカンジタ感染について

性行為によるカンジタ感染について

カンジタ膣炎を発症するきっかけとして、性行為が原因となることがあります。パートナーの性器にカンジタ菌が増殖していると、性行為により一定以上のカンジタ菌が感染し、発症してしまうからです。

女性の性器は湿度が高く増殖しやすい環境のため、パートナーから感染することで一気に増殖しカンジタを発症してしまいます。

女性から男性に感染することは少ないですが、免疫力が下がっていると感じたときは性行為を控えた方が安全と言えるでしょう。また、性行為の前後にしっかりとシャワーを浴びて清潔な状態を心掛けることや、コンドームを使用することも大切です。

締め付けの強い下着の着用

締め付けの強い下着の着用

カンジタ膣炎を発症するきっかけとして、締め付けの強い下着も注意が必要です。ガードルなど締め付けの強い下着を着用していると、膣周辺が蒸れやすくなりカンジタ菌が増殖しやすくなるからです。

また、下着はゆったりしていてもピタッと密着したジーンズを着用していると、同じように蒸れてしまうことがあります。

通気性の悪い条件が重なると、カンジタを発症しやすくなるので、ちょっと体が疲れていると感じたときは身体を締め付けない下着やファッションを心掛けるようにしましょう。

カンジタ膣炎の予防方法について

カンジタ膣炎の予防方法について

カンジタは常在菌であるカンジタ菌が増殖することにより引き起こされます。そのため、カンジタを予防するにはカンジタ菌を増殖させないようにすることが重要となります。

通気性のよい下着やファッションに切り替え、生理中はナプキンをこまめに取り換えて蒸れたり雑菌が繁殖したりしないように気をつけましょう。また、身体を休めてストレスを発散することで免疫力低下を防ぐことができます。

トイレを使用する時は、トイレットペーパーで前から後ろの方向に拭き取ることを徹底することも大切です。ビデを使用したり、こまめにシャワーを浴びたりする人もいますが、治療中の場合塗り薬が落ちてしまうことがあります。予防策として行うのなら、しっかり水分を拭き取り乾燥させるようにしましょう。

カンジタ膣炎治療方法

カンジタ膣炎治療方法

膣周辺にかゆみが出たり、おりものにカッテージチーズのような白いカスが混じったりしたら、カンジタを発症している可能性が高いと言えます。

すぐに病院に行き、治療を開始してもらうようにしましょう。病院では膣内のおりものを採取し、検査を行います。約10分でカンジタ膣炎かどうか診断することができますが、内診や膣内のPHでも診断することが可能です。カンジタと診断されたら、「抗真菌薬」「膣坐薬」「膣洗浄」などで治療していきます。

カンジタ菌は、真菌(カビ)なので水虫の原因菌と同じ種類となります。真菌(カビ)に処置をしていくためには「抗真菌薬」が必要となるため、軟膏タイプで症状が現れている部分に塗っていきます。

「膣坐薬」を使用した治療では、錠剤タイプの薬を膣内に挿入して治療していきます。効果が1週間継続するタイプの膣坐薬と、毎日挿入するタイプの膣坐薬がありますので、医師と相談しながら決めるようにしましょう。

症状の状態や病院の判断によっては、抗真菌薬の塗り薬と膣坐薬を併用することもあります。

膣洗浄について

膣洗浄について

カンジタの治療方法としては、「抗真菌薬」「膣坐薬」「膣洗浄」がありますが、「膣洗浄」を用いた治療方法では、膣に増殖したカンジタ菌を物理的に洗い流すことで対処していきます。

カンジタ膣炎を発症してすぐに膣洗浄を行えば、カンジタ菌をかなり減らすことができますが、毎日膣洗浄する必要はありません。

日常的に膣内洗浄を過剰に行っていると、カンジタ菌の増殖を抑えてくれている善玉菌まで洗い流してしまうことになるため、結果的にカンジタを増殖しやすくさせてしまう恐れがあります。お風呂に入った時は、低刺激の石鹸で優しく洗う程度に留めておきましょう。膣内洗浄はカンジタ症状が現れたときに行うようにしてください。

カンジタ膣炎の再発の可能性は?

カンジタ膣炎の再発の可能性は?

カンジタ膣炎の治療は、1週間ほどすれば症状が落ち着いてくることがほとんどです。ただ、カンジタ膣炎の症状が治まったとしても、一定期間を経て再発してしまうこともあるので注意が必要です。

カンジタ膣炎を発症させるカンジタ菌は、もともと皮膚に存在している常在菌なので、ちょっとしたきっかけでまたすぐに引き起こされることがあります。

何度も再発しやすい人は、衣服や下着の素材、生活習慣などを見直す必要があります。意外なことがカンジタを引き起こしている可能性があるので、もう一度予防方法をチェックしなおしてみてください。

また、抗生物質やステロイド、低用量などのピル、ホルモン剤などを投与されていると、カンジタが再発しやすくなります。

さらに糖尿病や他の感染症を発症している人もカンジタが再発しやすいので、医師と相談しながら薬の量や飲むタイミングを検討するようにしましょう。

カンジタ膣炎感染中の性行為は?

カンジタ膣炎感染中の性行為は?

カンジタ膣炎を発症している場合、パートナーへの感染を考えると性行為は控えた方が良いでしょう。カンジタの発症は、圧倒的に女性が多く、女性から男性にカンジタ菌が感染して発症する可能性は低いとされています。

しかし、ゼロではありませんので、男性もカンジタを発症することがあります。男性の場合、亀頭や包皮に痒みが生じたり、ただれてしまったり、白い苔が出てきたり、赤みが出たりします。

抗真菌薬の軟膏で治療することはできますが、念のため完治するまでは性行為を控えておいた方が良いと言えるでしょう。

女性の膣にカンジタが発症する場合、基本的には約90%は自然と発生するものです。性行為が原因となってカンジタが発症するのは、約5%~10%なので、確率としては低いですが、念のため症状が治まるまでは性行為は控えるようにしてください。

まとめ

カンジタ膣炎について詳しい情報を幅広くご紹介しました。カンジタ膣炎という病気は、カンジタ菌と呼ばれる真菌(カビ)により引き起こされますが、真菌(カビ)は、温かく湿った場所を好むため、膣周辺は絶好の増殖場所になってしまいます。だからこそ、きちんと治療し予防策を取るのが必要になってくるのです。

カンジタ膣炎について詳しい情報を知り、正しく予防し治療を行うことで、身体に増えすぎたカンジタ菌を少しずつ減らし、症状が出にくい身体づくりを心掛けていきましょう。