
危険日・安全日という言葉は、特に10代女性の間でよく聞かれますね。なぜ多くの10代がこの言葉を使い他の年代には見られないのかと言うと、妊娠を危険だと認識している点に特徴があるからなんです。
結婚適齢期が近く恋人がいる、または結婚している女性は妊娠を望む人が多数なので、そんな人は「危険日」とは言わず妊娠する絶好のチャンスだと考えます。また、妊娠の確率を探るには様々な方法がありますが、それを用いずに信憑性のあいまいな危険日や安全日を過信しているのも、手軽な方法に手が伸びてしまう10代ならではです。
もちろん20代・30代でも危険日・安全日を計算している人はいるでしょう。しかし、実際のところ危険日や安全日はどういった状態を指すのか、また本当に安全日には妊娠しないのか等々、しっかり理解している人は少ないのではないでしょうか。そこで、妊娠の危険日・安全日について知っておきたいことをご紹介します。
危険日・安全日を知るには、まず生理周期を知るのが第一
危険日・安全日がいつなのか、が女性の間で話題になる事も多いです。それはいつなのかというと、個人によって一人一人違うのが正しい答えです。
危険日・安全日とは自分の生理周期を基にして計算しますが、生理周期は正常範囲では25日~38日とかなりバラつきがあります。危険日である排卵日は、生理初日から次の生理が始まる前までの生理周期のちょうど真ん中にあるので、生理周期が25日の人は10日目で28日なら14日、38日なら24日目と最大2週間近く排卵日がずれる事になります。
自分の危険日・安全日を知りたいのなら、まずは自分の生理周期を知るのが第一ですが、生理が来たり来なかったりの生理不順の場合は排卵日が一定でないため、危険日・安全日の判断がつきにくい事が多いです。
危険日っていつ?
危険日は排卵日の1日だけではありません。
生理周期を簡単に言えば、生理初日から卵巣で新しい卵子が成長を始め、卵巣から子宮へ卵子が飛び出すのが排卵日で、妊娠しなかった場合は排卵日から約2週間で生理が始まります。卵子が受精できるのは排卵後24時間以内と限られているので、排卵日とその翌日が危険日となります。
ただし、基礎体温で排卵日を計っても100%確実ではなく、排卵痛は排卵の5・6時間前に起こると言われている点を考慮すると、排卵があったと自覚する前に排卵が起きてしまい早い段階で受精することも考えられます。
それに加えて卵管から子宮に到達するまで5~6日ほどかかるのも入れた結果、排卵日の前日・当日・次日とそれを含めた6日間がいわゆる危険日と言われる日にちなのです。
危険日に避妊しても妊娠する場合がある
危険日でも、きちんと避妊すれば大丈夫と思いますよね。もちろんそれが一番正しい方法なのですが、避妊していたとしても使い方を間違えれば妊娠してしまうケースがあるのを覚えておきましょう。
代表的な避妊具といえばコンドームですが、危険日にコンドームをつけても避妊に失敗する可能性はあります。きちんとつければ低いのですが、目に見えないほどの小さな穴が開いていたりつけるタイミングを間違えると、妊娠してしまうケースがあります。
失敗の確率が低いのはピルやアフターピル等の服用薬ですが、それでもまれに妊娠してしまいます。また効果が強い分、副作用も強くなる事も考慮して慎重に使用しましょう。
一番ダメなのが膣外射精です。それはもう避妊法として成り立っているのか疑問です。
性感染症予防にも効果的な避妊具とは
コンドームはもっとも気軽に使える避妊法ですが、実は他にも性感染症予防という大きな働きを持っています。性行為による粘膜接触が原因の性感染症には、梅毒・淋菌感染症・性器クラミジア・膣トリコモナス症がありますが、これらはコンドームをつけたりオーラルセックスを避けることで予防できます。
しかし、中には性行為中の皮膚接触で梅毒や性器ヘルペス・尖圭コンジローマ・ケジラミなどに感染することがあります。
コンドームを使えば粘膜・体液接触だけでなく性器の接触も抑えられるため、ある程度の性感染症の予防が可能です。もちろん100%予防できるわけではありませんし、途中で外れたり破れてしまっては避妊なしで性行為していることと変わらず、さらに感染率も高くなってしまいます。
避妊と性感染症予防両方の効果を得たいのなら、一度二人でコンドームの使い方をおさらいしてみてはいかがでしょうか。
安全日っていつ?
一般には卵子が受精せずに役目を終えてから次の生理が来るまでは、妊娠しづらい時期と言われています。
ただ、女性はいつ排卵して卵子が受精しなくなるのはいつなのか、とその瞬間を目で確かめる事が出来ないので、その安全日と呼ばれている期間が本当に安全なのかは誰も言いきる事は出来ません。
どうしてもハッキリ知りたいのなら、基礎体温を計って高温期が始まって4日くらい後から再び低温期になるまでが安全日と言われていますので、妊娠したくないカップルや夫婦は基礎体温をつけるのが一番です。
しかし基礎体温は、複数月計って自分の周期を比較してから排卵日を決定させるものなので時間がかかり、それを面倒くさいと思う若い女性は危険日・安全日と簡単な分け方を好むのでしょう。
安全日と言うのは100%安全ではない、という事をしっかり理解しておく必要があります。
生理中は危険日・安全日どっち?
卵子を育てるとともに子宮も受精した時に備えて、血液を溜めて受精卵が着床しやすいようにしておきます。しかし受精しなかった時は妊娠状態を継続させるホルモンのプロゲステロン分泌量が減って、子宮に溜めた血液が体外へ排出されるのですが、それが生理です。それでは生理中は危険日なのか安全日なのか、どちらなのでしょうか。
子宮内に卵子が無いから生理があるのだと考えた結果、安全日だと思う人がいるかもしれませんが、生理周期の短い人はすでに卵子が準備中というケースも考えられます。精子の子宮内での生存日数は約5日なので、タイミングが重なってしまえば受精する事も可能性がゼロではありませんね。
それだけでなく、生理中は子宮が敏感になっていて、激しく性交すれば子宮内膜症の恐れが出てきます。また子宮は外気に触れている内臓なんて言いますが、いつもは外気からの細菌の侵入はしっかりシャットアウトしていても、生理中はその力が弱まって細菌が侵入しやすくなり感染症の原因になる可能性があります。
妊娠だけでなく病気予防のために、生理中の性交は避けた方が良いでしょう。
出産後は生理が戻るまでは安全日?
特に赤ちゃんを母乳で育てている女性に多いのですが、出産後数ヶ月から1年くらいまで生理が来ない事が良くあります。
その理由は、出産後は妊娠中ずっと分泌されていたエストロゲンやプロゲステロンに代わって、プロラクチンと呼ばれるホルモンを多量に分泌するようになるからです。
プロラクチンには、母乳生産促進と排卵を抑制する働きがあります。女性の身体を取り戻すよりも、まずは母親としての任務をきちんと果たすべき、と身体が理解・実行しているように思えますね。反対にずっとミルクをあげていたお母さんは、母乳育児のお母さんよりもずっと早く生理が開始します。
お腹が空いて赤ちゃんが泣くと反射的に母乳が出るようになるのですが、母乳では無くてミルクをあげてしまうと身体が母乳はもう必要ないとして、次の妊娠準備を開始させるためにまた生理が再開されるのです。
授乳中は生理がないと考えて避妊をしないカップルも多いかもしれませんが、生理がない=排卵がないというわけではありません。生理再開の準備は体内で着々整っていて、生理は卵巣ではすでに卵子を育て始めているケースも多いです。
相手の理解を得よう
若い女性が危険日・安全日にこだわるのは、相手が避妊の重要さを理解してくれないからというのが大きいと思われます。
特に若い男性は女性と性交渉する事だけが重要で、後の事は何にも考えてない人も結構多いです。ただ、男性と別れたくないがために自分で問題を抱え込んでしまったり、毎月妊娠しているのではないかと生理が始まるまで悩んでしまうのなら、それはちゃんとしたカップルのありようとはほど遠いと思いませんか。
これからずっと彼と一緒にいたいのならば、女性だけが負担を抱えるのではなく、パートナーにもきちんと理解してもらい話しあうのが大切なのではないでしょうか。
まとめ
妊娠の危険日・安全日について知っておきたいことをご紹介しました。危険日は大体分かっても安全日がない、と言うことです。妊娠は女性だけでは出来ません。どちらか片方だけがつらい思いをすることのないように、危険日・安全日以外の情報も取り入れてパートナーとよく話し合いましょう。