生理不順の原因について知っておきたいこと

正常な生理周期日数は25日~38日で、妊娠周数や出産予定日を計算する上で基本となる生理周期は28日です。生理不順は将来の不妊につながりかねませんから、早めに改善していく必要があります。

生理不順は心身の疲れやストレスなど様々なことが原因ですが、早めに気づけば日々の生活習慣の見直しで十分改善が可能です。

生理周期がぴったり28日である女性は全体の10~15%に過ぎず、生理用品メーカー※1のアンケートによれば3割近い女性が生理周期がバラバラで一定しないという結果が出ています。そこで、生理不順を引き起こす原因やその対策をご紹介します。

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正常な生理周期のホルモン分泌

正常な生理周期のホルモン分泌

正常な生理周期は、脳下垂体から分泌される複数の女性ホルモンの分泌量が変化することで決まります。生理後はエストロゲンが増えて受精卵のベッドとなる子宮内膜を増やしますが、分泌量がピークになると排卵し、その後に増えるプロゲステロンが妊娠に備えて体調や子宮内膜を整えていきます。

受精卵が着床せず妊娠が成立しないと卵胞ホルモンと黄体ホルモン分泌量は急激に低下して、子宮内膜が剥がれ落ち体外に排出されて月経が始まります。このホルモン分泌量が多かったり少なかったりすると、生理不順につながるのです。

生理不順の種類

生理が急に遅れたり早まると、自分の生理はこれで大丈夫なのだろうかと心配してしまう女性も多いです。正常な生理の目安は生理周期が25~38日で生理期間は3~7日ですが、この周期や期間より短すぎたり長すぎれば生理不順に当てはまります。

また、生理中の出血量によっても生理不順ととられることがあります。生理周期や出血量・生理期間がそれぞれ正常な範囲に収まらない場合、以下のような種類に分けられます。

生理周期の長さの生理不順

生理周期の長さ

稀発月経

稀発月経は、生理周期が39日以上に及ぶ状態を指します。これは卵巣機能が弱まっていてホルモンが十分に分泌されておらず、卵胞の成熟・排卵・受精といった一連の生理機能が低下しているのが理由です。

この状態が続けば、排卵が起こらない無排卵月経になる可能性があります。

頻発月経

稀発月経とは対照に、生理周期が24日以下の状態を頻発月経といいます。この場合も卵巣機能が弱っているのが原因ですが、特にプロゲステロンの分泌が低下しているために排卵日から生理開始までの日数が短いケースがあります。

プロゲステロンは妊娠状態を維持するために必要不可欠なホルモンですから、この状態を放置すると妊娠しづらくなる可能性が出てきます。

生理の期間の長さの生理不順

生理の期間の長さ

過長月経と過多月経

生理が8日以上続く状態を、過長月経といいます。生理が長く続く時はえてして出血が多くなる過多月経と重なることも多いのですが、どちらもホルモンバランスの乱れ以外にも病気が原因で起こることが多いです。

過長月経は視床下部・脳下垂体・卵巣の異常や子宮の筋力低下が原因に挙げられ、過多月経は子宮内膜症やポリープなど子宮の病気の可能性があります。この場合は下腹部痛や強い生理痛などの症状が見られることがありますので、病院での検査をおススメします。

過短月経と過少月経

生理が1・2日で終わってしまう状態を過短月経といいます。この場合は出血も非常に少ない過少月経であることも多いのですが、女性ホルモンの分泌が少なく子宮内膜が十分増えていないのが原因です。

ホルモン分泌が少ないので無排卵月経である可能性も高く、この状態を放置すれば不妊につながりかねません。

更年期の生理不順

更年期の生理不順

40代に入って急に生理不順になった場合は、閉経の一兆候が考えられます。卵巣機能は30代後半から衰え始めゆっくりとエストロゲンの分泌が減少していきますが、この変化の影響で生理周期がコロコロ変わったり出血量が増加することが多くなります。

閉経前の生理不順で問題なのが、生理不順の中に子宮筋腫や甲状腺の病気による不正出血が隠れている可能性があることです。経血に変化が現れた場合は病院を受診しましょう。

生理不順の原因

生理不順の原因

生理不順はホルモンバランスの崩れが原因ですが、それでは一体ホルモンバランスの崩れはどうやって起こるのでしょうか。

もっとも代表的なのは更年期によるものですが、そうでなくとも日常のちょっとした習慣の乱れがホルモンバランスの崩れにつながります。そこで、ホルモンバランスの崩れやすい生活習慣を見ていきましょう。

ストレスによるもの

ストレスによるもの

ストレスと生殖機能には深いつながりがあります。ストレスを感じると視床下部が反応してコルチゾールというホルモンを分泌するように指令を出しますが、女性ホルモンを分泌する部分も同じ視床下部にあります。

ホルモンはコレステロールを材料にして作られますが、コルチゾールを大量に分泌すると女性ホルモンに使うコレステロールが奪われてしまい、女性ホルモンの分泌が低下します。

ダイエットによるもの

ダイエットによるもの

過剰な食事制限のダイエットを行うと生理が止まるという話は有名です。短期間で体重を大幅に減らそうとすると体は飢餓状態となり、生命維持に必要のない生殖器官の働きを低下させるため生理不順につながります。

「減量の理想的なペースは1ヶ月に0.5kg~1kg」※2なので、ダイエットであまり体重が減らなかったと思っていても、実際ホルモン分泌には大きな影響を与えているのです。

睡眠不足によるもの

睡眠不足によるもの

仕事が忙しかったり飲み会などで帰りが遅い日が続くと、生理周期がバラバラになったという経験を持つ方も多いですが、実は睡眠不足は生理不順と深い関係があります。

視床下部は睡眠と覚醒の機能を司る働きがありますが、睡眠不足になるとこの視床下部の働きが乱れてしまうのです。同じく視床下部はホルモン分泌を指令する働きがありますから、女性ホルモンの分泌にも影響が出てバランスが崩れやすくなります。

体の冷えによるもの

体の冷えによるもの

足を出すファッションを好んだり、冷房の効いた部屋で仕事をしていると体が冷えたり低体温になります。

特に子宮は胎児が成長するために常に温かくしておかなければならないのですが、低体温の状態だと機能が低下して生理不順になったり、生理がきても生理痛が酷くなりやすいのです。

食事の偏りによりもの

食事の偏りによりもの

ファーストフードや脂っこい食事・お菓子ばかりを食べていると、血液が脂肪や糖分で血液の質が低下しまいます。血液の質の低下でが内の隅々まで届かなくなり、冷え性の原因となって生理不順につながります。

また、こういった食事では生殖機能に必要なビタミンやミネラルが取れず、生理痛が酷くなったり月経前症候群の悪化の原因にもなります。

病気によるもの

過多月経や過長月経で述べたように、正常範囲を超えて出血が多かったり生理期間が長い時は病気の可能性があります。代表的な病気には子宮内膜症や子宮筋腫が挙げられます。

子宮内膜症

子宮内膜症

子宮内膜症は何らかの原因で子宮内膜に似た組織が子宮腔以外の場所に出来てしまう病気で、20代・30代から患者数が増え40代がピークです。

子宮内膜と同様にエストロゲンの影響を受けて増殖と剥離を繰り返しますが、組織が出来ている場所によっては剥がれた血液が体内に溜まって大きくなったり、子宮や卵巣に癒着してしまい様々な障害が発生します。子宮内膜症を発症すると、生理の出血が増えたり生理痛が悪化するなどの自覚症状が出ます。症状が気になる場合は医師に相談し、指示を受けるようにしましょう。

子宮筋腫

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の壁の筋肉内に良性腫瘍が出来る病気です。筋肉の中で育つもの・内側または外側に向かって育つものと筋腫の成長が分かれますが、大きくなれば子宮内の表面積が広がるため子宮内膜が増えて出血量が多くなり、その他にも貧血や過長月経・過多月経の症状が現れます。

筋腫が内側に大きくなるようだと子宮内の胎児のスペースが狭くなるので、妊娠しにくいというデメリットがあります。症状が気になる場合は医師に相談し、指示を受けるようにしましょう。

早発閉経

早発閉経

通常40代後半から現れる閉経の症状が40歳未満で現れるのを早発閉経といいます。40歳未満の1%、30歳未満の0.1%が早発閉経患者と言われていますが、遺伝的異常や自己免疫疾患・代謝異常・卵巣の外科手術など原因は様々です。

早発閉経は通常の閉経と全く同じように、顔のほてりやイライラなどの更年期症状が現れます。早発閉経は妊娠が難しくなるので、早く対策を取るためにも異常を感じた時は病院を受診してください。

生理不順の治療

生理不順の治療

病院を受診する目安は、生理不順が数ヶ月続いた場合と言われています。病院ではエコー・プローブや血液検査・内診などの検査を行い、その後低用量ピルでの治療をおこないます。

また、検査で無排卵月経と診断された場合は排卵誘発剤を用いての治療や、生理周期のホルモン分泌の変化に合わせてエストロゲン製剤とプロゲステロン製剤を服用・注射するカウフマン療法を行います。また、出血が多く止まらない場合には止血剤を用いることもあります。

最終的な判断は、症状が個別に違いますので医師や専門家に相談し指示を受けるようにしてください。

生理不順を改善するには

生理不順を改善するには

生理不順の状態が長く続いたり悪化すると病院での治療が必要になりますし、将来の妊娠にも影響が出る可能性がありますので、いつもの生理周期と何かが違うなと思った時には早めに対処しましょう。

生理不順の原因は生活の見直しで十分改善出来ますから、ぜひ出来るところから始めてみてください。

基礎体温えを知ることの大切さ

基礎体温えを知ることの大切さ

生理不順の原因を知るためには、まず基礎体温計測を習慣にしましょう。病院でも基礎体温グラフを参考にして症状を診断しますから、いかに重要な判断材料の一つなのかが分かります。

生理周期の基礎体温は通常低温期と高温期の二層に分かれますが、生理不順の場合ははっきりと区別がつかなかったりガタガタのグラフになることが多いですから、グラフの現れ方で原因を判断できます。1ヶ月だけでは判断がつかないので、正確に原因を知るためにも最低数ヶ月は基礎体温をつけると良いでしょう。

リラックスの時間を持つ

リラックスの時間を持つ

ストレスと生理不順には大きな関係がありますから、まずはリラックスできる時間を作ってストレスを軽減していきましょう。

ただのんびりするだけではリラックスできないという方は、自分の好きなことに没頭する時間を作ったり、アロマテラピーやマッサージがおススメです。特に女性ホルモンバランスを整える効果を持つ精油などを使ったアロマテラピーは、リラックスしながら生理不順も改善できて一石二鳥ですね。

食事内容の見直しを考える

食事内容の見直しを考える

ダイエットで野菜ばかり食べている女性も多いですが、女性ホルモンをしっかり分泌させるにはコレステロールやたんぱく質が必要です。ダイエットは後でも出来ますから、まずはたんぱく質とそれに含まれるコレステロールを適量とるようにしましょう。

その他に生理不順に関係する栄養はビタミンB6・ビタミンE・亜鉛・鉄・イソフラボンなどですが、野菜だけでなく肉・魚・豆もバランスよく取り入れたメニューなら、必要な栄養をしっかり取れるでしょう。

自律神経を鍛える運動をおこなう

自律神経を鍛える運動をおこなう

女性ホルモンと自律神経はお互い影響しあっていますから、自律神経を鍛える運動を取り入れてホルモンバランスをフォローしていきましょう。

簡単に出来るのは瞑想で、瞑想のリラックス効果で副交感神経を優位にして自律神経のバランスが取れます。また、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は血液を全身にめぐらせるので体温が上がり、この場合も同じく副交感神経が優位になります。

運動する時間がない時は、いつでもどこでも出来るストレッチがおススメ。深呼吸しながらストレッチをすれば新鮮な酸素が体中に届いてスッキリします。

生理不順は早目に治そう

生理不順は早目に治そう

生理不順でも日常生活を送る上では問題ないと放置してしまう方が多いですが、一度ホルモンバランスが崩れて放置したままだと正常に戻すのが大変になります。

ホルモンバランスが中々治らなければ生理の異常が進行し、不妊につながる最悪の可能性も出てきます。現在は結婚年齢が上がっていて高齢妊娠・高齢出産の割合も増えつつありますが、ホルモンバランスの治療に時間がかかると、その分妊娠・出産のカウントダウンが減ってしまうことを理解して、早めの治療を始めましょう。

まとめ

生理不順はホルモンバランスの崩れが原因で起こりますが、その崩れの原因は睡眠不足やストレス・ダイエット・体の冷えなど様々です。そのまま放置すれば不妊につながる可能性もありますので、早く原因を突き止めて生理不順が悪化してしまう前に対処していきましょう。

また、生理不順の原因には病気が隠れている可能性もあります。普段の生理とは何かが違うと感じた場合は病院を受診しましょう。改善には少々時間がかかりますから、特に妊娠を望む方は一刻も早く対策を始めていきましょう。

※1参照:ユニチャーム  ※2福岡大学病院 内分泌・糖尿病内科

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