
生理予定日を過ぎているのに、生理が来ず遅れているとイライラしたりしませんか?また、生理遅れが激しいと何かの病気では?もしかしたら妊娠?という不安がよぎります。
生理遅れが発生する原因にはさまざまなことがありますから、その原因によって対処すべき方法は異なります。また、生理について詳しいメカニズムをおさらいすることで、なぜ遅れるのが根本から解決することができるでしょう。
そこで、生理遅れの原因やメカニズム、対処方法など幅広い情報をお届けしていきたいと思います。
生理はナゼ起きる?
生理遅れについて説明する前に、まずは生理とは何かもう一度おさらいしておきましょう。生理とは、子宮内部の組織や血液が膣から出てくることを言います。
女性の身体は初潮を迎えてから閉経するまでの期間、コンスタントに排卵が起き、妊娠できる仕組みになっています。
しかし、毎回妊娠することはないため、受精しなかった卵子が不要となり、お腹の中で赤ちゃんを育てるために準備された組織も不要となるため、血液と一緒に排出されるのです。女性の生理は約40年続くと言われており、長い付き合いになります。
生理をコントロールしているものとは?
生理は、不要になった卵子や、準備されていた組織、血液などが身体の外に排出されることを言います。しかし、髪が勝手に生えてきたり爪が何もしなくても生えてきたりするのとは違い、生理はあるものからコントロールされています。それが、女性ホルモンです。
女性ホルモンには生理を起こす作用があり、さまざまなメカニズムによって毎月コンスタントに生理が起きるようになっています。女性ホルモンはどのように生理をコントロールしているのか、詳しく見ていきましょう。
生理遅れの原因 女性ホルモンの乱れ
生理は女性ホルモンによってコントロールされていますが、具体的にはどのように作用しているのでしょうか。女性ホルモンには2つ種類があり、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの作用が生理をコントロールしています。
生理は、この2つの女性ホルモンが急に減少することで引き起こされるものです。黄体ホルモンは受精卵を育てるための組織をキープする役割があり、卵胞ホルモンは卵子を育てて子宮内膜を分厚くさせる役割があります。
この2つの女性ホルモンが働いているからこそ、卵子は育って排卵され、いつでも受精し育つ環境が整えられているのです。
ただ、この女性ホルモンは活発になる時期が異なります。そのため、ホルモンの活発時期が変化したり、分泌量の増減が激しかったりすると、たちまち生理周期に影響してきてしまいます。生理遅れは、この2つのホルモンの影響から引き起こされると言っても良いでしょう。
卵子の成長が遅い
生理は女性ホルモンによってコントロールされていますが、2つのホルモンの活発時期が変動することで生理周期は乱れていきます。
卵胞ホルモンの活動に乱れが生じれば、卵子の育つスピードが遅れ、排卵も遅れ、生理遅れへと繋がります。また、黄体ホルモンの活動に乱れが生じれば、さらに生理遅れはひどくなる可能性もあるでしょう。
それぞれの女性ホルモンの活動が乱れれば乱れるほど、生理遅れはひどくなるので、きちんとコントロールしていく必要があります。では、女性ホルモンの活動を安定させるためには、何が必要なのでしょうか。
女性ホルモンを安定させる方法
生理遅れは女性ホルモンの乱れが原因となっています。だからこそ、女性ホルモンを安定させることが必要です。では、具体的に女性ホルモンを安定させるためには何を行うべきなのでしょうか。
毎日の生活が重要となってきますので、まずは、睡眠、食事、運動から見直していきましょう。
睡眠の改善
睡眠においてはできるだけ起きる時間を統一するようにしてください。朝早い時間が望ましく、7時に起きているのが理想的でしょう。この時間の朝日を浴びることで、体内時計をリセットすることができます。
起きる時間が遅くなり、太陽の光を浴びなければ、体内時計はどんどん狂い睡眠時間もさらに不規則になってしまうでしょう。だからこそ、起きる時間は統一し、足りない睡眠不足は短めのお昼寝で補うようにしましょう。
食事の改善
生理遅れの原因である女性ホルモンの乱れは、食事でも引き起こされてしまいます。外食ばかりが続いて、脂っこく野菜不足な食事が続けば、ホルモンバランスは乱れ、余計な脂肪も付きやすくなってしまうでしょう。
外食が多い方は、できるだけ野菜中心のメニューを選ぶようにし、食べる順番も野菜から食べ始めるようにしてください。野菜から食べ始めることで、ビタミンやミネラルなどの栄養を吸収しやすくなるからです。また、温かいスープを飲んで、必要な水分を補い内臓を温めるようにしましょう。
肉よりも魚の方がホルモンバランスを安定させてくれますので、どちらか迷った時は魚を選び、できるだけ青魚を食べるようにしてください。
カフェインやアルコールの注意
生理遅れが気になる方ほど、日常的にカフェインやアルコールの摂取が多い傾向が見受けられます。どちらも過剰に摂取することで、女性ホルモンの乱れを引き起こしてしまうため、ほどほどに抑えるようにしましょう。
コーヒーなどカフェインがたっぷり入っている飲み物は、1日1杯~2杯くらいまでにするようにしてください。アルコールにおいても度数の高いお酒は少なめにし、週に1度は休肝日を設けるようにしましょう。
カフェインやアルコールだけでなく、タバコのニコチンにも女性ホルモンを乱す作用がありますから、できる範囲で控えるよう努力することが大切です。
ストレスの改善
生理遅れが気になるという方は、ストレスをたくさん抱えているのかもしれません。ストレスを強く感じることで、女性ホルモンに乱れが生じるからです。
女性ホルモンが分泌されるには、脳からの指令が必要になります。しかし、ストレスにより脳が正常に作動しなければ、指令が乱れたり届かなかったりする現象が起きやすくなります。
このことから、ストレスを受けすぎることで生理が遅れることがあるので、できるだけ無理をしないようにしましょう。また、ストレスをためないように自分の時間を確保することも大切です。
運動を改善
生理遅れが気になるという方は、運動不足が原因かもしれません。運動不足が慢性化すると、血行が悪くなり、女性ホルモンの乱れにも繋がってしまいます。
また、身体がじっとしていることでストレスを感じやすくなるため、ますます女性ホルモンは乱れて生理が遅れやすくなってしまうでしょう。
少しお散歩するだけでも充分ですし、外に出かけにくい場合はストレッチでも構いません。身体を動かして血行を良くすることで、身体と心をリフレッシュできるようにしておきましょう。
その他の生理遅れの原因は?
生理遅れの原因 無排卵
過激なダイエットや強いストレスなどが続くと、ホルモン分泌を司る機能が低下して排卵が起こりにくくなります。その状態がずっと続けば、排卵機能が停止し排卵がストップしてしまいます。
しかし排卵を促すホルモン分泌が衰えても、生理周期に合わせて子宮内膜が作られるのですが、排卵が起こらないため用済みの子宮内膜をいつ排出すべきか分からず、生理予定日のかなり後になって排出されるのも珍しくありません。
そのため無排卵の生理は、予定日よりも生理が遅れて始まるだけでなく、生理が終わった後や排卵後などいつ出血があってもおかしくなく長期に渡るのが特徴です。このままにすれば早期閉経や不妊につながってしまうので、なるべく早く病院で治療を始めるようにしましょう。
生理遅れの原因 風邪をひいた 体調不良
体調を崩した時は必ず生理が遅れるという方も多いですね。感染症や疲れから来る体調の崩れは免疫力が落ちている証拠なので、そのような体調では生理システムだけが正しく動くという事はありえません。
体の中で一番異変に敏感なのが子宮といっても過言ではないので、生理が予定通りこないのを心配するよりも先に体調を治して万全にする事を優先しましょう。
ここで生理が遅くなっても異常という事ではありませんので、無理をせずゆっくり休むようにしてください。
生理遅れの原因 季節の関係
子宮はデリケートで、ちょっとした条件ですぐに機能が低下してしまいます。その中でも体温や周りの気温に大きく左右されやすく、低体温や冷え性の方は漏れなく生理が遅れたり生理痛が酷い悩みを抱えています。
そこまでとは行かなくても、冬になったら急に生理が重くなるのを経験した方も多いのではないでしょうか。最近は平熱が35度台の女性や子供が増えていますが、平熱が36度の人よりも免疫力が劣るなど1度体温が違っただけで大きな悪影響が出ます。
冬になれば、寒さに引きずられて子宮の働きが鈍くなるのも頷けます。生活習慣を見直したりピルを服用するのも大事ですが、まずは体温を上げるような対策を第一に考えましょう。
生理遅れの日数はどれくらい?
生理遅れは気になるものですが、1週間ほどの遅れなら気になる範囲ではありません。ただ、前の生理から日にちが経ちすぎていると、生理周期が正常の範囲を超えている可能性もあります。
女性の生理は、25日~38日で繰り返されるのが通常です。
28日で生理が来る人が、生理が送れ、35日になっていたとしてもさほど心配する必要はないでしょう。ただ、35日周期で生理が来る人が、40日以上たっても生理が来ないというのは正常の範囲を超えています。
前の生理から39日以上生理が来ないという場合は、産婦人科で受診するようにしましょう。
生理周期の回復について
生理はできるだけ同じ周期で巡るのが理想的です。正常な範囲内でも、生理遅れが生じると気になりますよね。
しかし、生理遅れが発生しても2ヶ月から3ヶ月ほどで元の生理周期に戻れば心配する必要はないでしょう。
生理周期は、季節の変わり目や風邪などちょっとしたことでも変化してしまうものです。一度生理遅れたからといって、慌てることのないようにしましょう。
生理の遅れと妊娠の可能性
生理遅れがいつもより長い場合、妊娠している可能性があります。生理予定日を過ぎても生理が起きる気配がなく、前の生理から40日以上経過しているようなら、妊娠している可能性は高くなっていると言えるでしょう。
生理予定日から1週間ほど経てば、妊娠検査薬が反応するので簡易検査を行うことができます。ただ、生理遅れの原因をできるだけ早く知りたい方にとっては、空白の1週間はドキドキしてしまいますよね。
そうならないためにも、基礎体温を毎日計測しておくことをオススメします。基礎体温を計測することで、生理予定日の予測や妊娠の可能性、体調管理まで行うことができます。
体温と生理の遅れの関係
生理遅れが気になるという方は、一度基礎体温を計測してみてください。基礎体温を計測することで、生理予定日の予測や妊娠の可能性などさまざまなことを把握することができます。
女性の体温は、2つの期間に分けられており、正常なら低温期と高温期が同じくらいの日数で繰り返されていきます。生理が終わってから排卵までは低温期、排卵されてから生理までは高温期となります。
基礎体温を測ると、低温期と高温期が綺麗に別れていなかったり、高温期が短くなっていたり逆に長くなっていたりすることに気づきます。
基礎体温が変化するのは、女性ホルモンの影響があるからです。その作用について簡単にご紹介しておきましょう。
低温期のホルモン
生理遅れが気になるという方は、基礎体温を計測してみましょう。低温期と高温期を知ることで、ホルモンがきちんと分泌されているか把握することができるからです。
低温期は主に卵胞ホルモンが分泌されています。低温期が長く続き、さらに下がるタイミングが来たら、排卵の合図である可能性が高いと言えます。
このタイミングで性交すると妊娠する確率が上がってくるでしょう。排卵後は基礎体温がぐんぐん上昇して高温期に切り替わっていきます。
高温期のホルモン
基礎体温は、低温期と高温期に分けられますが、排卵を境に高温期へと変わっていきます。高温期は、主に黄体ホルモンが分泌されています。
体温が高い状態になることで、受精の確率が上がり、着床して育ちやすくなるからです。ただ、受精が成功しなかったりすると体温を上昇し続ける必要がなくなります。
また、受精卵のために準備されていた環境も必要なくなるため、黄体ホルモンの分泌が減り体温が下がって生理が始まるのです。体温が急激に下がったと感じたら、生理が始まる可能性が高いと言えるでしょう。
逆に、生理予定日が近づいているのに高温期が下がらないようなら、妊娠している可能性が高いと言えます。妊娠検査薬を試す前に、妊娠の可能性を見つけることができるでしょう。
生理遅れの病気の可能性は?
生理遅れは、女性ホルモンの乱れや妊娠などの影響を受けて発生します。ただ、それ以外にも生理が遅れることがあるのでご紹介しておきましょう。それは、子宮周辺の病気が関係している時です。
子宮の機能に不具合が出ていたり、子宮内膜に異常があったりする場合、生理遅れが発生することがあるからです。
生理遅れと共に激しい腹痛、発熱や嘔吐、不正出血などが続いた時は直ぐに病院で診てもらうようにしましょう。子宮周辺の病気は、早めに治療することが大切になります。
生理遅れだけに限らず、いつもの生理とは違う様子があったり、生理が来ていないのに生理痛に似た症状で辛かったりする場合も、我慢せず病院できちんと診察を受けるようにしましょう。炎症や病気を放置しておくと、妊娠しにくくなる可能性があります。
まとめ
生理遅れについてさまざまな情報を幅広くご紹介しました。女性ホルモンの影響や、妊娠の可能性、さらに病気の影など、いろんな要素があることがお分かりいただけたと思います。
特に生理周期はちょっとしたことですぐに乱れてしまいますので、あまり神経質になりすぎないようにしましょう。ただ、生理遅れがひどい場合や、気になる点がある場合は、我慢せずにきちんと病院で診察を受けることが重要です。
妊娠や病気など具体的な原因を知ることで、不安な気持ちも解消できますので、ひとりで悩まないようにしましょう。原因を知り、対策することで生理遅れを根本から解決していってください。