尖圭コンジローマについて知っておきたいこと

性行為を経験している方なら、性感染症の危険性を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。性感染症とは、性行為から感染する病気のことで、認知度が高い病気としてはHIV(エイズ)、クラミジアなどがあります。

尖圭(せんけい)コンジローマという病気はどんな病気なのか、またどのような感染ルートがあるのか、治療法や予防法にまで幅広くご紹介していきますので、是非参考にしていただければと思います。

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス (HPV) に感染することによってイボが発生する性感染症です。

ヒトパピローマウイルス(HPV) は、ヒト乳頭腫ウイルスとも言われることがあります。ヒトパピローマウイルス(HPV)には2つの種類があり、「良性型」のヒトパピローマウイルスと「悪性型」のヒトパピローマウイルスがあります。

尖圭コンジローマの原因となるのは、「良性型」のヒトパピローマウイルスで、「悪性型」のヒトパピローマウイルスは子宮頸がんなどの原因になるとされています。

ヒトパピローマウイルス(HPV)

尖圭コンジローマを発症させるのは、ヒトパピローマウイルス(HPV)ですが、このウイルスは人にのみ感染します。尖圭コンジローマだけでなく、皮膚にできるごく一般的なイボや子宮頸がん、陰茎がんなどの発症に関係していると言われています。

実は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の種類は実に多く100種類以上あると言われています。尖圭コンジローマを引き起こすのは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型と11型です。

発症部位について

発症部位について

尖圭コンジローマを発症させるのは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型と11型ですが、具体的にどのような部位に症状が現れるのでしょうか。

尖圭コンジローマは、皮膚や粘膜にある小さな傷に侵入して感染します。

性交渉による感染が主となるため、陰茎、陰嚢、亀頭の先端部分や冠状溝、包皮の内側や外側、肛門、小陰唇、大陰唇、膣内、子宮頚部、尿道口、会陰部、大腿、口唇、口腔内、乳頭状などがあります。

イボの形状について

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型と11型に感染することにより発症しますが、具体的にどのようなイボが皮膚に現れるのでしょうか。

尖圭コンジローマを発症した患者の場合、性別に関係なく、うすピンク色か茶色、もしくは黒っぽい色のイボが出没します。イボの形状は、ニワトリのトサカ状か、カリフラワー状、もしくはお椀を伏せた形の乳頭状のいずれかになります。

尖圭コンジローマによりイボが出没しても、ほとんど症状は現れることがなく、しいて言えば軽い痛みや痒みが確認できる程度です。

ただ、イボの大きさや発生する部位などによっては、疼痛や掻痒が出たり、性交時の痛みや出血が出現したりすることがあります。何度も出血や痛みを繰り返していると、別の感染症に感染しやすくなるので適切に治療するようにしましょう。

感染からイボができるまでの期間について

尖圭コンジローマは、性行為から感染しイボが発生する病気のことですが、実際に感染し、イボができるまではどれくらいの期間が開いているのでしょうか。

実は、尖圭コンジローマは潜伏期間が長く、感染してから3週間~8ヶ月くらいまで無症状のことが多いと言われています。平均すると、3ヶ月前後でイボができ始め尖圭コンジローマと発覚する傾向が多いようです。最初のイボが出没すると、短期間で次々と新しいイボが増えていくことがあります。

その時期に治療をしても転移や再発が行われやすいため、細心の注意を払ってケアをしていく必要があります。ただ、人によっては感染しても無症状のままが続き、イボが出現しないまま約1年でもともと備わっていた免疫力で自然治癒することもあります。

そのため、尖圭コンジローマに感染したと気づかず性行為を続けてしまうことから、感染を広げやすい原因となっているのです。

尖圭コンジローマ感染経路について

感染経路について

尖圭コンジローマは主に性行為から感染するケースが多くあります。ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した性器で、コンドームをつけずに着用することで、簡単に感染してしまうので注意が必要です。また、粘膜だけでなく皮膚に小さな傷があっても感染してしまうことがあります。

そのため、稀なケースではサウナや公衆浴場などから尖圭コンジローマに感染することもあるでしょう。

尖圭コンジローマは自覚症状が現れにくく、イボが出現するまでの潜伏期間が長いため、感染に気づかず感染源も特定できないまま次の感染者を広げてしまうことがあります。

感染者数について

感染者数について

尖圭コンジローマは、HIV(エイズ)やクラミジアなどに比べると認知度が低いと言われています。しかし、実は誰でも感染する可能性のある病気で、非常に感染者数も多いのが実情です。

クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症の次に尖圭コンジローマの患者数が多いとされており、全国では約3.9万人もの感染者がいると言われています。

尖圭コンジローマは、ここ数年増加傾向にあります。1999年の調査と2005年の調査を比較すると、約2倍にも増加傾向に転じています。尖圭コンジローマに感染している患者の年齢としては、10代後半から30代の若い人が中心となっています。

男女比の割合で言えば、男性より女性が若い年齢で感染することが多く、20歳から24歳がピークとされています。男性のピークは25歳から29歳と言われているので、どちらかと言えば女性の方が感染する確率が高いと言えるでしょう。

症状が進行した場合

尖圭コンジローマは、自覚症状が現れにくくイボが出現しても痒みや傷みがほとんどないため、放置してしまいやすくなります。しかし、尖圭コンジローマを放置し病気を進行させてしまうと思わぬ病気へと発展してしまう恐れがあるので注意が必要です。

尖圭コンジローマを治療せず放置しておくと、イボの数がどんどん増えていき、患部が広がってしまうことがあります。

尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)には、「良性型」と「悪性型」がありますが、尖圭コンジローマは主に良性型のウイルスが原因となっています。しかし、尖圭コンジローマに感染した人の中には、悪性型のヒトパピローマウイルス(HPV)が同時に発見され、子宮がんを引き起こす可能性があるので、早めに治療することが大切です。

また、病気に気づかず治療しないまま性行為を繰り返してしまうと、パートナーにも尖圭コンジローマを感染してしまう可能性があるでしょう。

妊娠している場合

妊娠している場合

もし、妊娠している状態で尖圭コンジローマに感染したらどのように対処すべきなのでしょうか。まず、尖圭コンジローマが疑わしいようならすぐに病院で診てもらう必要があります。

妊娠しているときに尖圭コンジローマしてしまうと、出産で赤ちゃんが産道を通るときに、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染してしまう恐れがあります。

赤ちゃんが尖圭コンジローマを発症してしまうと、のどにイボができてしまい多発性咽頭乳頭腫が引き起こされるので適切に対処することが需要になります。

口腔がんの危険性について

口腔がんの危険性について

尖圭コンジローマは、性行為により感染するため性器周辺で発症することが多くあります。しかしオーラルセックスにより口腔内や咽頭に尖圭コンジローマのイボができてしまうことがあるので注意が必要です。

口腔内が尖圭コンジローマに感染すると、食器やキスなどでも感染してしまう恐れがあります。感染が発覚したら、できるだけ皮膚や口につけるものは別々に使うように気を配りましょう。

また、口腔内に感染した尖圭コンジローマの病原菌が、悪性型に発展してしまうと口腔がんを引き起こす可能性があります。

最初は良性型でも、何らかの刺激やストレスから悪性型に転じてしまう恐れがあるので、早めに治療しておくようにしましょう。

誤認しやすい病気

誤認しやすい病気

尖圭コンジローマは性器にイボができる性感染症ですが、同じように見えるため誤認しやすい病気があります。それはフォアダイクと真珠様陰茎小丘疹と呼ばれるもので、どれも性器に白いブツブツができ、大多数が男性に発生します。

尖圭コンジローマと似ているため、もしかしたらと慌てる方も多いですが、この白いブツブツは脂肪の塊で、尖圭コンジローマとはまったく異なります。放置しても問題ありませんが、気になる時は自己処理せずに病院で治療してもらった方がきれいに治ります。

ただ、尖圭コンジローマなのにフォアダイクだと勝手に判断し悪化してしまうケースもあるので、おかしいと思った時には病院で検査を受けてください。

治療方法について

尖圭コンジローマの治療法は、「薬を用いた治療方法」と「外科的な治療方法」に分けられます。尖圭コンジローマによりイボが出現した部位や、イボの大きさによって適切な治療方法の選択は変わってきます。

塗り薬

塗り薬

担当の医師とよく相談したうえで、治療方法を決定するようにしましょう。薬を用いた治療方法としては、塗り薬を使用します。日本でも健康保険が適用され、世界75ヶ国以上で使用されています。週に3回程度、自分で薬を塗りますが、副作用が強く出て使用を断念することもあります。

尖圭コンジローマ治療薬として使われている塗り薬の副作用としては、塗った部位に赤みが出たり、ただれがおきたり、表皮が剥がれたり、腫れが生じたり、鈍痛や湿疹が引き起こされたりします。イボの状態や副作用の状態をチェックしながら、医師と相談しつつ治療を進めるようにしましょう。

外科的な治療方法について

外科的な治療方法について

尖圭コンジローマの治療方法は、塗り薬が中心となっていますがイボが大きい場合や、出血が続く場合は外科的な治療方法で対処する必要が出てきます。イボを取り除く治療になるため、痛みが伴いやすいのが難点です。

具体的な方法として、「凍結療法」「電気焼灼」「炭酸ガスレーザー蒸散」「外科的切除」などがあります。

「凍結療法」は、イボに液体窒素を何回かに分けて付着させ、凍らせて取り除く治療方法です。凍らせることから冷たく感じたり、ピリピリと痛みを感じたりすることがありますが、麻酔なしで治療できるので安心です。

「電気焼灼」は、電気メスでイボを焼いて除去する治療方法です。電気メスでの処置は強い痛みを伴うこともあるため、イボの周囲に麻酔をして痛みを緩和させてからスタートします。

「炭酸ガスレーザー蒸散」は、レーザー光線でイボを除去する治療方法です。これも痛みが伴うため、イボの周囲に麻酔をして痛みを緩和させてからスタートします。

「外科的切除」は、専用の器具でイボを除去する方法です。これも痛みが伴うため、イボの周囲に麻酔をして、痛みを緩和させます。

このような外科的な治療法は痛みを伴ったり、傷跡が残ったりする可能性があるため、慎重に検討したうえで臨むようにしましょう。

再発の可能性について

再発の可能性について

尖圭コンジローマの治療は、塗り薬を使用するか、外科的治療方法で解決するかのどちらかになります。ただ、これらの治療方法で対処しても尖圭コンジローマが再発してしまうことがあります。

尖圭コンジローマのイボは、治療時にきちんと取り除いても、僅かにヒトパピローマウイルス(HPV)が残っていることがあるため、治療が長引いたり、再発したりすることがあるからです。

見えているイボを取り除いたとしても、ウイルスが残っている可能性があるため、再発を繰り返し、治療が長引く場合があります。もし再発しても根気よく病院に通い、治療を続けることが大切です。

尖圭コンジローマの再発率は高く、患者の4人に1人は3ヵ月以内に再発するといわれており、3ヵ月以内に再発する可能性は約25%もあると言われています。

治療してしばらくイボが出てこなかったとしても、潜伏期間を過ごしている可能性もあるので、注意が必要です。治療を終えても、3ヶ月を過ぎるまでは病院に通い再発の有無を確認しておくようにしましょう。

免疫力を高めよう

免疫力を高めよう

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することから発症します。しかし、ウイルスに感染するということは免疫力が下がっているということです。

免疫力が十分に活躍すれば、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することはなく、尖圭コンジローマを発症することもないでしょう。

疲労が蓄積していたり、ストレスが溜まっていたり、女性なら生理前後の時期はより注意が必要ですので、無理をしないようにしてください。

まとめ

尖圭コンジローマについてさまざまな情報を幅広くご紹介しました。正しい知識を持って適切に対処することで、尖圭コンジローマの影響を最小限に抑えることができます。

感染経路を知り、感染しないように予防策を実行し、免疫力をUPさせることで、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染するリスクを回避し、健康な身体を守れるようにしていきましょう。