子宮筋腫について知っておきたいこと

女性にとって、婦人科系の病気は気になることのひとつではないでしょうか。きちんと検診に行かなければと思うものの、なかなか産婦人科に敷居の高さを感じて二の足を踏んでいる方も多いことでしょう。

婦人科系の病気にはさまざまな種類がありますが、気をつけたい病気のひとつが子宮筋腫です。子宮筋腫って何?子宮筋腫はどうしてなるの?子宮筋腫はどうやって治療するの?などいろんな疑問が思い浮かんでくるのではないでしょうか。

そこで、子宮筋腫に関する情報をご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

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子宮筋腫とは?

子宮筋腫と聞くと、すぐに手術が必要だと感じたり、治療をしなければ大変なことになると思ったりしてしまいます。しかし、子宮筋腫は良性の腫瘍のことなので、ただちに命の危険が生じてしまうなど緊急を要する病気ではありません。

子宮筋腫は、子宮の中に筋腫ができる症状のことを言います。40歳前後から子宮筋腫になる女性は増える傾向にあり、女性の4人に1人は子宮筋腫があると言われています。

子宮筋腫ができる原因

子宮筋腫ができる原因

子宮筋腫は、子宮内に良性の筋腫という腫瘍ができることを言います。では、子宮筋腫は何故できてしまうのでしょうか。

子宮の内側の壁は「平滑筋」という筋肉でできていますが、この平滑筋の細胞が異常に増殖したことから腫瘍へと成長してしまい、子宮筋腫となります。

平滑筋は、妊娠することで子宮のサイズが大きくなったり、出産時に陣痛を起こして出産体制を作ったりするのに欠かせない筋肉のひとつです。

平滑筋が異常に増殖してしまう原因は、現在ハッキリと断定できていませんが、ホルモンの影響が関係していると言われています。

ホルモンと子宮筋腫の関係

ホルモンと子宮筋腫の関係

女性の身体に排卵や生理が起こるのは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)というふたつの女性ホルモンの働きが作用しているからです。ふたつの女性ホルモンが活発に分泌され始めると初潮が引き起こされ、閉経まで排卵や生理が繰り返されていきます。

子宮筋腫は、初潮が引き起こされた後に発生し、閉経後には小さくなっていくことから、女性ホルモンの作用が子宮筋腫に大きく関わっていることが伺えるでしょう。

ホルモンの分泌量や期間には個人差があることから、子宮筋腫ができやすい女性とできにくい女性が出てきます。子宮筋腫ができやすい女性は、摘出手術を行っても子宮筋腫が再発してしまうことが多いため、一種の体質でもあると言えます。

子宮筋腫の大きさについて

子宮筋腫

子宮筋腫の大きさは個人差があります。数ミリの米粒サイズの子宮筋腫もあれば、10cm以上の子宮筋腫があるなどさまざまです。

子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、大きくなりすぎると子宮の動きを邪魔したり、妊娠しにくくなってしまったりするため、摘出する必要が出てきます。

正常な範囲としては、7cm位までのサイズとされていますが10cm以上に子宮筋腫が成長しているようなら、摘出した方が良いと判断されるケースが多いでしょう。

子宮筋腫を放置しておくと、どんどん大きくなり重さが10kgになるほど成長してしまうこともあります。そうなれば、摘出手術は難航してしまいますので、早めに処置しておいた方が安全だと言えるでしょう。

子宮筋腫の種類について

ひとくちに子宮筋腫と言っても、発生する場所によって呼び名は異なります。子宮の内側にできるのが「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中にできるのが「筋層内筋腫」、子宮の外側にできるのが「漿(しょう)膜下筋腫」です。

子宮筋腫の中で最も多いのが、子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」です。その次に多いのが子宮の外側にできる「漿膜下筋腫」、最も少ないのが、子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

筋層内筋腫について

筋層内筋腫について

子宮筋腫の中で最も多いのは子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」です。筋層内筋腫は筋肉の中にできるため、筋腫が成長して大きくなっていくと子宮内膜を引き伸ばしてしまうことがあります。

子宮内膜は子宮の内側をおおっている膜のことで、これが引き伸ばされてしまうと生理痛や経血量の増加、下腹部痛などが発生しやすくなります。

子宮筋腫が小さい間は症状が出ませんが、徐々に大きくなってくると下腹部にしこりを感じるようになってきます。

そんなに暴飲暴食していないのに、下腹部がポッコリしたことから太ったと勘違いしたり、生理痛を一時的なものだと楽観視したりしやすいので注意しましょう。下腹部のしこりが確認でき徐々に経血量が増えているようなら、筋層内筋腫の可能性を考えた方が良いと言えます。

漿膜下筋腫について

漿膜下筋腫について

子宮筋腫の中で、筋層内筋腫の次に多いのが、子宮の外側にできる「漿膜下筋腫」です。漿膜下筋腫はなかなか症状が現れないことが多いため、筋腫が成長してかなり大きくなってから発見されるケースが多いです。

子宮の重さは平均すると60g~70g程度ですが、1kg~2kgサイズの筋腫に成長するまで気づかないこともあります。

漿膜下筋腫が大きくなって、しこりを感じるサイズになっても、生理痛や経血量の増加などがなく見過ごされやすいので注意が必要です。

粘膜下筋腫について

粘膜下筋腫について

子宮筋腫の中で、最も少ないのが子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」です。ただ、症状としては3つの子宮筋腫の中で最も症状が現れやすく、注意が必要な筋腫です。

粘膜下筋腫は子宮の内側にできるため、出血しやすく筋腫が小さくても経血量が増えやすくなります。また、粘膜下筋腫は受精卵が着床して育つ子宮の内腔に発生するため、妊娠が成立しにくくなると言われています。

不妊に悩んでいたことから検査を受け、粘膜下筋腫であったと判明することも多いほどです。粘膜下筋腫ができていることに気づかず、そのまま放置して大きく成長してしまうと、腟の中で子宮筋腫が飛び出す形になり、「筋腫分娩」という状態になることがあります。

筋腫分娩になると、不正出血が続いたり、筋腫を経由して腟の中から子宮の中へと細菌が進んで感染症を引き起こしたりすることがあるので注意が必要です。

子宮筋腫の症状について

子宮筋腫の症状について

子宮筋腫には、子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」、子宮の外側にできる「漿(しょう)膜下筋腫」という3つの種類があることがお分かりいただけたと思います。

それぞれ症状が現れやすかったり現れにくかったりしますが、どんな症状が身体に現れたら子宮筋腫かもしれないと疑った方が良いのでしょうか。

子宮筋腫かもしれないと気づく身体の症状としては、生理の期間が長くなってきた、生理の時に経血量が多くなってきている、貧血を起こすようになった、生理痛がひどい、ということが多いようです。

中には、立っていられないほど生理痛を強く感じたり、生理が10日以上経ってもダラダラ続いてしまったり、出血量が多くなって貧血になり動悸や息切れを起こしたりする方もいらっしゃいます。もし、このような症状が度々起きているようなら、一度しっかり検査を受けると良いでしょう。

治療のきっかけについて

治療のきっかけについて

子宮筋腫は、基本的に良性の腫瘍なので特に自覚症状が無ければ、よほど大きい場合を除いて治療する必要はないとされています。ただ、生理などの症状がひどい場合や、周りの臓器に影響が出ている場合は、治療をする必要があります。

経血量が多くて貧血気味になりやすかったり、子宮筋腫が大きく成長して膀胱や腸などを圧迫したりして頻尿や便秘が繰り返されるようなら、治療をスタートさせた方が良いでしょう。サイズとしては問題のない大きさでも、症状がひどい場合は治療を開始するべきだと言えます。

治療方法について

子宮筋腫を治療する方法としては、大きく分けると薬物療法と手術があります。

薬物療法

薬物療法

薬物療法においては、薬を用いて女性ホルモンのバランスを整え、子宮筋腫が大きく成長するのを抑制し、小さくする目的があります。

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)がありますが、子宮筋腫を大きくさせるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を薬で一時的に停止させます。エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が停止することで、子宮筋腫の重さは1/2~2/3まで小さくすることができるでしょう。

エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を停止させる薬として、Gn-RH製剤が使われますが、月に1回注射で打つか、1日に2回~3回鼻に噴霧するかを選びます。

薬物療法のデメリット

薬物療法のデメリット

子宮筋腫の治療として薬物療法を選ぶと、手術を行うことなくサイズを小さくしていくことができます。ただ、薬の力で強制的に女性ホルモンの分泌を抑えるため、副作用は身体のあちこちに出てきてしまいます。

薬を投与しているときは、生理も停止し閉経した状態と同じになるため、更年期障害が引き起こされることがあるので注意が必要です。

暑くもないのに汗をかいたり、のぼせやすくなったり、情緒不安定になったりする可能性があるでしょう。また、長い期間生理が停止することで、骨粗しょう症のリスクも高まってしまいます。

薬物療法により、女性ホルモンを停止させる処置は半年が限度とされているため、治療を終えると再び女性ホルモンが分泌され、子宮筋腫も徐々に元の大きさに戻ってしまうことになります。そのため、根本的な解決には至らないと考えた方が良いでしょう。

ピルでコントロール

ピルでコントロール

子宮筋腫の治療方法として薬物療法をご紹介しましたが、Gn-RH製剤だと女性ホルモンを構成的に停止させてしまうため、身体の負担も大きくなってしまいます。そこで、ピルを用いた薬物療法もご紹介しておきましょう。

ピルを服用することで、全体の女性ホルモンの分泌量を抑えることができるため、生理を止めずに子宮筋腫の進行を抑えることができます。

また、子宮筋腫による症状を緩和させることができるため、まだ子宮筋腫が大きくなっていない状況なら効果的だと言えるでしょう。

ただ、ピルにも副作用があり吐き気などの症状が出る場合もあります。体質に合ったものを選べるよう、医師に十分相談して量を調整しながら様子を見るようにしましょう。

手術について

手術について

子宮筋腫の治療方法として、手術で筋腫を摘出する方法がありますが、手術にもさまざまな種類があります。大きく分けると、子宮と筋腫を取り除く子宮全摘手術か、筋腫だけ取り除く筋腫核手術かになるでしょう。

子宮全摘手術なら、子宮筋腫が再発する可能性は低くなりますが、これから妊娠や出産を望んでいる方なら、筋腫だけ取り除く筋腫核手術が良いでしょう。

開腹か内視鏡か

開腹か内視鏡か

筋腫を取り除く手術では、子宮ごと取り除く子宮全摘手術か筋腫核手術かを選びます。具体的な手術の方法として、お腹にメスを入れる開腹手術と、膣から内視鏡でアプローチする内視鏡手術とがあります。

子宮筋腫のサイズが大きかったり、内視鏡では取り除きにくかったりする場合は開腹手術になります。

筋腫のサイズが小さい場合や、内視鏡でも充分対処できる範囲なら、傷口を最小限に抑えられる内視鏡手術が適しているでしょう。

産婦人科の医師により、開腹と内視鏡どちらを選ぶか意見は異なってきます。それぞれの技術や見解を良く見比べ、納得のできる方法を選べるようにしましょう。

普及する子宮動脈塞栓術について

普及する子宮動脈塞栓術について

子宮内膜の治療としては、薬物治療か手術かを選ぶことになりますが、近年浸透されてきているのが子宮動脈塞栓術という治療方法です。

子宮動脈塞栓術は、子宮に栄養を供給する子宮動脈を詰まらせて、筋腫に栄養が届くのを防ぐ治療方法です。栄養が届かないため、筋腫は徐々に小さくなっていきます。

子宮動脈塞栓術は、太ももの動脈から子宮動脈まで細い管を挿入し、詰め物で塞いでいきます。傷も小さく済むので、薬物治療や手術に二の足を踏んでいるという方は検討してみると良いでしょう。

まとめ

子宮筋腫について詳しい情報を幅広くご紹介しました。小さいサイズなら問題はありませんが、生理痛など身体の不調に繋がることもあるので注意が必要です。また、不妊に繋がる可能性もあるので、一度は検査しておくようにしましょう。

子宮筋腫に関するさまざまな情報を知り、きちんと対策や治療を行うことで上手に付き合っていけるようにしてください。

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