
女性にとって生理期間中は憂鬱な気分になってしまいやすくなります。何度もトイレに行ってナプキンを交換しなければなりませんし、経血量の多い日は漏れが心配になることもあるでしょう。
また、ナプキンによりデリケートゾーンがかぶれ不快感が出やすくなる方もいらっしゃいます。そんな憂鬱な生理ですが、実はこれらの悩みを解決してくれるアイテムとして「タンポン」があります。
タンポンの存在は知っているけれど、なかなか試す勇気がないという方や、漏れる心配や痛みが出ないか気になる方もいらっしゃるでしょう。
興味はあるけれどなかなか手が出せないタンポンだからこそ、たくさんのタンポンの情報を知る必要があります。そこで、タンポンの特徴や使い方、メリットやデメリットまで幅広くご紹介していきましょう。
タンポンとは
タンポンとは、膣内に挿入して経血を吸収する生理用品のひとつです。一般的に多くの人が使用しているナプキンは、膣外に排出された経血を吸収するアイテムなので、タンポンとは構造が異なります。
よく、タンポンを入れると膣に蓋をしてしまうため、お腹が張ったりタンポンを抜いた時に大量出血してしまったりするということを聞きますが、タンポンは蓋をするアイテムではなく、膣の中で経血を吸収するアイテムなので、このような心配はありません。
タンポンの構造について
タンポンの大きさはさまざまですが、平均的な大きさは指先程度のサイズです。初めてタンポンを試すなら、小さめサイズで経血の少ない日を選んでチャレンジしてみると良いでしょう。また、タンポンにはフィンガータイプとアプリケータータイプがあります。
フィンガータイプ
フィンガータイプのタンポンは、指でタンポンを膣内に装着するスタイルで、荷物やゴミを少なくできるメリットがあります。ただ、指でタンポンを膣内に挿入することに抵抗があり、汚れが気になるという方はアプリケータータイプのタンポンが良いでしょう。
アプリケータータイプ
アプリケータータイプのタンポンは、プラスチックでできた筒の中にタンポンが入っており、膣に挿入して注射器のようにタンポンを押し込むことができます。タンポンを押し込んだらプラスチックを出せば挿入完了です。これなら、手が汚れる心配もありませんし、初めての方でも上手にタンポンを挿入することができます。
タンポンはどうやって取り出すの?
タンポンには、フィンガータイプとアプリケータータイプがあり、初心者ならアプリケータータイプがオススメです。ただ、膣の中にタンポンを挿入したら、どうやって取り出せばよいのか不安になる方もいらっしゃるでしょう。
タンポンには、紐がついており、膣外まで伸びるようになっています。その紐をゆっくりと引っ張れば、タンポンを確実に取り出すことができます。
紐が切れたりしないか心配な方も多いでしょうが、タンポンに備え付けられた紐は非常に頑丈で、切れたり外れたりすることは滅多にありません。このことから、安心してタンポンを装着したり、取り出したりすることができるでしょう。
タンポンを取り出す時
タンポンを膣内に挿入して、交換したいと思った時、どのように取り出せばよいのでしょうか。タンポンには紐がついており、膣外に出ていますのでそれをゆっくりと引っ張り出せばタンポンが出てきます。
経血量が少ない時は、膣とタンポンの間に摩擦が起きやすくなり、少し出にくくなることがあります。無理に引っ張らず、身体の力を抜きながら少しずつ引っ張っていくと良いでしょう。
稀に、タンポンの繊維が膣内に残ることがありますが、膣には自浄作用があるため経血やおりものと共に膣外に排出されるので心配はありません。
タンポンの吸収力について
タンポンを使用する場合、どれくらいの経血を吸収してくれるか気になるところではないでしょうか。タンポンを交換する目安としては、4時間~8時間以内とされています。
経血量が多い時は、4時間を目安に交換すると良いでしょう。ただし、経血量が少ないからといって8時間以上タンポンを挿入したままにするのはやめましょう。それ以上挿入すると、雑菌が繁殖したりする恐れがあるので取り出し忘れのないようにしてください。
痛みの心配について
タンポンを使用する時、不安になるのが痛みの心配です。タンポンを挿入することで、急に膣周辺に痛みが生じたりしないか、運動をするときに影響はないか気になることもあるでしょう。
タンポンは、挿入時に違和感が生じることがありますが正しく装着していれば、入れていることに気づかないほど馴染みます。ただ、タンポンの挿入が浅い状態だと違和感が生じたり膣外に出てきたりする可能性があります。
初めてタンポンを使用する時は、つい浅い位置にしてしまいますので、アプリケータータイプのタンポンで深い部分にタンポンが装着できるようにすると良いでしょう。
タンポンの処理方法について
タンポンを使い終わった後は、どのように処理すればよいのでしょうか。タンポンは、ナプキンと同じようにエチケットボックスに入れて処分します。
経血をたっぷりと含んでいるので、トイレットペーパーで包むようにするようにしましょう。トイレに流すとつまりの原因になるので、決して流さないようにしてください。
また、アプリケータータイプのタンポンで使用したプラスチックの容器も、各地域のごみ分別に従い処分するようにしましょう。
タンポンの保存方法
タンポンは、ナプキンに比べると使用できる時間が長いため、思った以上にタンポンを使う量が少ないうちに生理が終わることがあります。余ったタンポンは未開封の状態ならそのまま保管して大丈夫です。
しかし、タンポンの個包装を破いてしまっている状態なら、衛生面が心配ですので使用は控えるようにしましょう。万が一雑菌がついたタンポンを膣内に挿入すると、雑菌が増殖し感染症を引き起こしてしまう可能性があります。
また、水にぬれやすい場所や、湿度の高い場所、高温になりやすい場所、直射日光に当たる場所は、タンポンの品質に影響が出る恐れがあるので、そのような場所は避けるようにしましょう。
おりものには使わない
タンポンを使用してその吸収力や快適さが気に入ると、他の用途でも使用できないかと思うようになります。
おりものの量が多く、排卵日前後や生理前後におりものシートを利用している方は、ついタンポンでおりものを吸収してしまおうと考えてしまいます。しかし、タンポンは経血を吸収するために開発された生理用品なので、おりものの吸収など他の用途では使用しないようにしましょう。
生理の時は、経血があるためタンポンが滑りやすく装着や取り出しが簡単ですが、おりものの場合、十分な水分がないため膣とタンポンの間にすべりが無くなり、なかなか取り出しにくくなってしまうことがあります。
無理やりタンポンを出そうとすると、膣の内壁を傷つけてしまい感染症を引き起こしてしまう恐れもありますので、おりものの時には使用しないようにしましょう。
タンポンのメリットについて
タンポンの構造や使用方法についてご紹介してきましたが、具体的にタンポンを使うメリットにはどんなことがあるのでしょうか。
不快感が軽減される
まず、不快感が軽減されるというメリットがあります。生理の時は、経血が漏れないかという心配や、ナプキンの蒸れに不快感が生じやすくなります。
しかし、タンポンを使用することで経血が膣内で吸収されるため、漏れの心配もないですし、ナプキンにより蒸れることもありません。
つけていることが気にならない、生理だと忘れてしまうほど解放感が得られると言いますので、生理中の不快感に悩んでいるという方にとっては、大きなメリットになると言えるでしょう。
かぶれの軽減について
タンポンを使用するメリットとして、かぶれ症状が軽減されるということがあります。皮膚がデリケートな人や、ナプキンにかぶれてしまいやすい人は、生理中にデリケートゾーンが荒れてただれた状態になってしまうことがあります。
生理中は、かぶれ用の軟膏も塗りにくいですし、経血を何度も洗い流して清潔な状態に保つ必要がありますが、タンポンにすれば膣周辺が経血で汚れることも少なくなります。
また、ナプキンでデリケートゾーンが刺激されることもないので、かぶれを早く治すことにも繋がるでしょう。
長時間トイレに行けなくても大丈夫
ナプキンを使う場合2~3時間で交換する方が多いですが、仕事中で中々席を外せなかったり、長距離移動の最中でナプキン交換の機会が限られてしまう方もいらっしゃるでしょう。
だからといって放置すると、雑菌が繁殖してかぶれや炎症の原因となってしまいます。そういったトラブルをなくすにはタンポンがおススメです。タンポンの交換頻度は4~8時間とナプキンよりも長いため、ナプキンのようにもうそろそろ取り替える時間なのに、とソワソワしなくても大丈夫。
タンポンは量が多い方が使いやすいので、一度にたくさん出てナプキンから漏れるのでは、と不安になることもありません。
服装を気にしなくてよい
生理の時は、万が一漏れても目立たないように黒っぽい服ばかりを選ぶ方も多いですね。また、生理の時は楽な格好で過ごす方も多いですが、その格好で外出するのが嫌で仕事にも影響が出てしまうなんてことありませんか。
特にデートの時にお気に入りの服が着られないのでは、デートも楽しくなくなってしまうかも。タンポンならば漏れてパンツやスカートについてしまうことはほとんどありませんから、生理中でも白い服や明るい色の服を着られます。
出血量が多い場合は、更にナプキンをプラスすると良いでしょう。服装によって感情が左右されることも多いですから、憂鬱な生理期間をタンポンと好きな服装で気持ちをアップしていきましょう。
タンポンのデメリットについて
タンポンを使用することでさまざまなメリットを得ることができますが、その一方でデメリットもありますのでご紹介しておきましょう。
感染症の心配
タンポンを使用するデメリットとして、最も心配なのが感染症の心配です。タンポンを使用する時間は、8時間を超えないことが条件となっていますが、これは雑菌が繁殖しないために設定されています。
膣内には自浄作用があるため、雑菌が侵入してきても繁殖できないようになっていますが、生理中は免疫力が下がりやすく、経血で常に湿った状態になっているため、雑菌が繁殖しやすい条件がそろっています。
タンポンは使用感が少ないことがメリットですが、その反面うっかり取り出すことを忘れてしまうこともあるので注意しましょう。
挿入や取り出しのやりにくさ
タンポンを使用するデメリットとして、膣に挿入する時や、取り出す時にやりにくさを感じるということがあります。タンポンが便利なのに、まだ多くの女性に広まっていないのは、この理由が大きいと言われています。
膣とタンポンに滑りがあれば、挿入も取り出しもスムーズですが、経血量が少なくなってくる4日目以降は膣との間に摩擦が起きやすくなり、挿入や取り出しがスムーズにいかなくなることがあります。
無理に取り出そうとして膣の内壁を傷めたりすることもあるので、経血量が多い初日~3日目を選んで使用しなければなりません。
経血量に合わせてタンポンかナプキンか判断しなければならないというわずらわしさがデメリットのひとつだと言えるでしょう。
トキシックショック症候群(TSS)のリスク
タンポンを使用するデメリットとして、トキシックショック症候群(TSS)というリスクがあります。トキシックショック症候群(TSS)とは、黄色ブドウ球菌が毒素出すことで生じる急性疾患のことです。
突然高熱がではじめ、発疹や赤みが生じ、倦怠感や、下痢、吐き気、嘔吐、粘膜の充血などが引き起こされます。症状を放置していると、血圧低下などショック症状に発展し、最悪の場合危篤状態になる恐れもあるので、すぐに病院で治療を受けるようにしましょう。
トキシックショック症候群(TSS)は、タンポンは8時間を超えて長時間使用し続けたり、挿入時の手や指が清潔な状態でなかったりすると引き起こされることがあります。
黄色ブドウ球菌は、皮膚に常在している菌のひとつですが、免疫力が下がったり傷口から侵入したりすると毒素を出すことがあります。
出産後8週間以内の時期や、出産後に初めて生理が再開された時期は、免疫力が下がっておりトキシックショック症候群(TSS)を発症しやすいので、念のためタンポンの使用は控えた方が良いでしょう。
メリットとデメリットを比較しよう
タンポンを使用するにあたり、さまざまなメリットとデメリットをきちんと把握しておくことはとても大切です。
デメリットに関して言えば、使用方法を守り正しく行っていれば生じにくいものなので、タンポンについて正しい知識を持ってきちんと管理できるなら回避することができるでしょう。
初めてタンポンを使用する時は、つい緊張してソワソワしてしまいますが、身体が強張っているとタンポンはうまく挿入できませんし、取り出しにくくなってしまいます。
息をゆっくりはいて呼吸を整え、リラックスを心掛けながら試してみるようにしましょう。また、経血量が多い時期の方がタンポンの挿入や取り出しはしやすいので、生理初日~3日の期間に試してみることをオススメします。
漏れが心配だという方は、最初のうちはナプキンをしいておけば安心です。布ナプキンなら、下着を同じ感覚ですしかぶれの心配も軽減されるのでタンポンと一緒に組み合わせてみると良いでしょう。
まとめ
タンポンについてさまざまな情報を幅広く詳しくご紹介しました。タンポンについて詳しく知り、正しく使用することで安全に使用することができます。生理中の不快感から解放されたいというかたは、是非タンポンにトライしてみてください。